元農相の金子岩三氏 胸像除幕 西日本有数の水産基地の礎築く

松浦魚市場開設に尽力した故金子岩三氏の胸像=松浦魚市場

 金子原二郎農林水産相の実父で、中曽根内閣で農相を務めた故金子岩三氏の胸像の除幕式が21日、長崎県松浦市調川町の松浦魚市場であり、市場関係者ら約300人が参列した。
 岩三氏は、旧北松生月村(現・平戸市生月町)生まれ。県議会議長を経て、1958年衆院選の旧長崎2区で初当選。以来、連続9期務め、科学技術庁長官や農相を歴任した。日本遠洋旋網(まきあみ)漁業協同組合初代組合長として松浦魚市場の設立に尽力。西日本有数の水産基地になる礎を築いた。
 胸像は同組合の加藤久雄組合長、友広郁洋・元松浦市長ら5人が発起人になり、企業に寄付を募った。ブロンズ製で高さ75センチ。御影石の台座を含めると2メートル。事業費約500万円。食堂などがある市場事務棟内に設置した。
 除幕式では、友広氏が「『国の安全保障は食料の安全保障から』と先頭に立って政治力を発揮し、地域の発展に寄与した」と功績をたたえた。遺族を代表し、長男源吉氏が「父が他界して35年。父への思いを胸像という形で残してもらい感謝している」と謝辞。次男原二郎氏は「父は松浦魚市場の開設に心血を注いだ。農林水産業は転換期を迎えており、再整備を終えた魚市場を生かし、魚の輸出に力を入れてほしい」と話した。

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