天海祐希ナレーション映画『私は白鳥』槇谷茂博監督&TBSテレビプロデューサー刀根鉄太がるトークショーに登壇!

ドキュメンタリー映画「私は白鳥」のトークショーが27日、東京・渋谷のユーロスペースで行われ、富山チューリップテレビの槇谷茂博監督、TBSテレビプロデューサーの刀根鉄太氏が登壇した。 2019年5月に富山のチューリップテレビで放送され【アメリカ国際フィルム・ビデオ祭】ゴールドカメラ、【ニューヨークフェスティバル】ファイナリスト等を受賞したテレビ版に、2年以上の追加取材の映像を加えて映画化した本作。2020年に公開され、ともに傑作ドキュメンタリーと話題になったTBS『三島由紀夫VS東大全共闘』チームと、『はりぼて』のチューリップテレビがタッグを組んで製作した。 傷つきながら過酷な自然界で命を燃やし続ける白鳥と、それに自らを投影し見守りつつ、地方都市で懸命に暮らす1人のおじさん(澤江弘一さん)の生き様を通して、現代に生きるすべての人の心に生命の在り方を問いかける感動の傑作ドキュメンタリーで、ナレーションを天海祐希が担当し、主題歌を石崎ひゅーいが奏でる。 富山で先行上映され、ついに東京で初日を迎えた心境を尋ねられると、槇谷監督は「富山はすでに白鳥が2〜300羽きているんですけど、白鳥の飛来とともに富山で上映が始まって、今日も東京のみなさまに多く集まっていただきまして本当に嬉しく思っています」と笑顔を見せ、刀根氏は「東京での上映が目標の1つでもあったので、これをスタートにどんどん広げていきたいなと思いますし、まずはスタートに立てたことに嬉しく思っております」と感慨深げに挨拶した。 また、テレビドキュメンタリーとして日本国内のみならず海外でも評価され、今回、映画化となった本作だが、当初は2017年の冬から2018年にかけて富山に白鳥の飛来が少ないということをニュースで取り上げるために取材を始めたことから始まったそうで、映画化されたことについて、槇谷監督は「信じられないというのが率直な感想です。まず、おじさんと白鳥の日常を描いただけの作品を、TBSの報道特集で採用させていただけたということにビックリしたんですけど、日常の何気ないことから始まったので、まさかそれが映画になるとは思っていなかったですね」と目を丸くした。 さらに、澤江さんはどんな人か尋ねられると、槇谷監督は「優しさと温かみのある人で、命を大切にする優しい方です」といい、「曲がったことが嫌いなので、白鳥の生態を少しでも侵すことがあると、撮影中でも怒られることが度々ありました」と打ち明け、刀根氏は「最初にドキュメンタリーを見たときは、なかなか周りにいない人だなと思ったんですけど、どんどん引き込まれていって、すごくチャーミングだし、言っていることが的を射ているのもあるんですけど、時に詩的といいますか、『私は白鳥』というのも澤江さんから出たフレーズですし、『心の隙間が白鳥の形をしていて』というフレーズだったり、澤江さんという人柄がすごいなと思いましたし、実際にお会いしてお話をしたら、より好きになりました」と語った。 ナレーションを天海祐希に、そして主題歌を石崎ひゅーいにお願いした理由を問われると、刀根氏は「どなたかに語りをお願いしたいなと思ったときに、白鳥の佇まいとか、凛とした美しさというところで、天海祐希さんの姿が思い浮かんだのもございまして、また天海祐希さんが祖父母の実家が富山県だったということもわかりまして、毎年、夏休みに1ヶ月くらい宿題を持って富山に行って過ごしていたというお話もあり、(映画の)中身にも共感してくださって引き受けてくださいました」と明かし、「ナレーション録りのときに、(天海は)お忙しいのですぐに録らないといけなかったんですけど、富山やこの映画のことを40分くらいお話になられてビックリしました」とエピソードを告白。 主題歌については「繊細な日常だったり気持ちだったりを表現してくれるのが石崎ひゅーいさんなんじゃないかなと思いましてお願いしたところ、『スワンソング』という楽曲を提供していただいて、初号試写のときに澤江さんと対面して、石崎さんも『感動した』とおっしゃっていて、澤江さんからも『主題歌の部分が泣ける』と言っていただいたのが嬉しかったですね」と声を弾ませた。 最後に、澤江さんからメッセージを預かってきたという槇谷監督は、携帯電話を取り出し「私が飛べない白鳥からもらったたくさんの勇気、生きる喜びが少しでも伝わればいいなと思います。そして悲しいことやつらいことがあっても、今ある命を楽しみたいと思っていただければ幸いです。見終わったときに、少しだけでも温かく、優しい気持ちになっていてくださればいいなと思います」と澤江さんの言葉を読み上げた。

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