【九州場所】照ノ富士 自信初の全勝Vに「理想の相撲に近づいているのかな」

賜杯を抱える照ノ富士

理想への進化は続いている。大相撲九州場所千秋楽(28日、福岡国際センター)、横綱照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)が大関貴景勝(25=常盤山)を押し出しで下し、自身初の全勝優勝を決めた。

名実ともに番付の最高位で臨む中、2場所連続6度目の優勝、そして1962年初場所の大鵬以来となる新横綱から2場所連続Vを全勝で決める最高の結末。「ちょっとでも理想の相撲に近づいているのかな」と喜びを語った。

今場所は相手の攻撃を受けた上で最後は貫禄勝ちの内容を連発。横綱相撲で15日間を無傷で終えたが「自分的にはこれが横綱相撲というのは分からない。相手の攻撃を受け止めた上で、自分の形をつくって相撲を取るのは昔からやっていたこと。それが徐々にできるようになってきただけ。長年続けてきて、やっとできるようになったのかな」と振り返った。

師匠の伊勢ヶ浜親方(横綱旭富士)は、今場所の弟子の奮闘を「落ち着いて相撲を取っていたのがいいんじゃないか。全然慌てない。横綱の責任を果たしている」とたたえた。今後も当分は照ノ富士の〝一強時代〟が続くことになりそうだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社