「オミクロン株」命名の裏に習近平氏への “忖度” 国内では「尾身さんへの配慮ないのか?」の声

中国の習近平国家主席(ロイター)

南アフリカなどで確認された新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の出現に世界中が脅威を抱いている中、WHO(世界保健機関)がこの期に及んで中国の習近平国家主席(68)を忖度し、猛批判にさらされている。

新変異株は感染力がデルタ株より強いとされ、ワクチンの効果も低下させる懸念が出ている。各国は水際対策強化に乗り出しているが、既に香港、イスラエル、ベルギーなどで確認され、過去に新変異株がまん延した例から見れば、既に世界中に広がっているとみられ、今後はデルタ株に取って代わる可能性も指摘されている。

コロナ対応で後手後手に終始するWHOだが、新変異株の命名を巡ってもすったもんだがあった。当初、発見された国名・地名が使用されていたが、差別につながると今年5月からギリシャ文字に切り替わられた。これまでアルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、ラムダ、ミュー株などが使われ、今回の新変異株は順番でいけば、「ニュー」となるところだった。

ところが、英語の「new」と混同するために見送りに。続く「クサイ」は英語表記だと「xi」となる。これは習近平氏の「習」の表記が「xi(シー)」となるため、これまた見送られたとされる。

米の共和党議員らは「共産党を恐れている」とWHOを批判。折りしも中国べったりで知られるテドロス事務局長が再任される見通しとなったばかりで、中国への忖度が過ぎるというワケだ。

一方、「人名や国名に気を使うのならば、なぜ?」と声が上がったのは日本国内だ。新変異株は「クサイ」に続く「オミクロン」となったが、ネット上では「尾身さんへの配慮はないのか?」「〝尾身クローン〟株じゃないか」と政府のコロナ感染対策分科会の尾身茂会長(72)の名前とかぶっているとのツッコミであふれた。

尾身氏が自分の名前が入った新変異株の対策に奔走することがないよう、オミクロン株がまん延しないことを祈るばかりだが…。

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