ARTA、チームレポート抜粋。首脳陣とドライバーのコメントを発表【第8戦富士決勝】

 11月28日、2021年シーズンのスーパーGT最終戦となる第8戦『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE』の決勝レースが、富士スピードウェイで行われ、GT500クラスに参戦する8号車ARTA NSX-GTは6位、GT300クラスに参戦する55号車ARTA NSX GT3は24位となった。66周の決勝レースをを終え、ARTAはチームレポートを発行。その中で鈴木亜久里監督、土屋圭市アドバイザーとともに、各車のドライバー、エンジニアのコメントを発表した。

 以下にそのコメント全文を掲載する。

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GT500クラス

鈴木亜久里監督
「まず、ウチの55号車がチャンピオン争いをしていた1号車(チームクニミツ様)に追突してしまい、1号車を応援、ご支援している皆さま、そしてドライバー、チームの皆さまにお詫びしたいと思います。申し訳ありません。このような事はレースで起こりうる事ではありますが、8号車としても1号車を目標としていたので、しっかりと最後まで良きライバルとして戦いたかったです」

「8号車については決して悪くなかったんだけど、ピットインで想定外のトラブルが出てしまって順位を落としてしまったね。だけど野尻が素晴らしい走りで順位を少しずつ挽回してくれたんだけど、届かなかった。チャンピオンを獲れなかったのはとても残念だけど、良いレースが出来たと思っています。ライバルも手強いけど、来年は絶対にチャンピオンを獲りたいね」

「今年1年応援して下さった皆さまには本当に感謝します。ありがとうございました。早くコロナウィルスが収束して、沢山のお客様に目の前でSUPER GTを見てもらいたいですね。来年もどうぞ宜しくお願いします」

ライアン・ディングル エンジニア(8号車 ARTA NSX-GT)
「チームとしてもホンダとしても凄く悔しい日になってしまいました。昨日の流れでロングのセットも見る事が出来て、昨晩は夜遅くまでドライバーと相談したその結果、ロングのセットは周りと同じペースで走れて、仁嶺のペースも野尻のアウトラップも速くて良かったと思っています。しかし、ピットワークで全然起こらないような事が起こってしまい、今年はそのような事が起こりすぎてしまいました。来年は戦略だけではなく、ピットワークなども含め、起こりうる状況を洗い出して準備していきたいと思います」

「レース全体では野尻が11番手から6番手まで挽回出来ましたし、シーズン全体の流れ的には色々な事が少しずつよくなっていたし、2人のドライバーは日本で1-2番手の速さを持っているドライバーなので、来年は同じパッケージで走れればシリーズチャンピオンを狙っていきたいと思っています」

野尻智紀(8号車 ARTA NSX-GT)
「本来であればもっと上位でゴール出来たと思っていました。応援して下さっていた人たちはチャンピオンを期待していたと思うので、期待に沿えず申し訳無いと思っております。何と言っていいのかわかりませんが、これがボク達の現在の実力なので、また応援してもらえるようにこのオフシーズンにしっかりと自分達を見つめ直して、来年のタイトルを狙えるように今から取り組んで行きたいと思います」

「今年も応援、ご支援して下さったファンの皆さま、ご協賛各社には感謝申し上げます。ありがとうございました」

福住仁嶺(8号車 ARTA NSX-GT)
「6番スタートだったのですが、タイヤの暖まりも良かったので、すぐに順位を上げる事が出来ました。その後はタイヤの事も考えながら、前の車に離されないように走っていました。割と早い段階で車のバランスが崩れてしまい、前の車について行くのが精一杯だったのですが、SCが入って差が縮まったのですが、SCが解除された後の方がタイヤが厳しくなってしまい、ペースを上げられませんでした」

「後半のタイヤについても何が良いか考えていましたが、野尻さんはどんな状況でもペースが速いですし、野尻さんのドライビングを考えると同じタイヤでも良いかと思いました。ピット作業でドアが落ちてしまうというハプニングがあったものの、チームの素早い対応と野尻さんの熱い走りで順位を上げる事が出来ました。そこからチャンピオンを獲る為にモニターで見ながら応援していました」

「結果はトヨタ勢には届かず、チャンピオンを獲る事は出来ませんでしたが、今シーズン序盤は歯車が合わず、ランキングも下位でしたが、その中からここまで巻き返せたのは良かったと思いますし、今年出来た経験は来年以降生きてくると思いますので、また頑張って行きたいと思います。今年も沢山のファンの方々やスポンサーさんに応援して頂き、感謝しかありません。ありがとうございました」

GT300クラス

土屋圭市アドバイザー
「1年通して良いレースをお見せできたんじゃないかと思っています。最後の最後でこういう事が起こってしまいました。謝って済む問題じゃありませんが、鈴木亜久里と一緒にドライバーを連れて1号車に謝りに行ってきました。チャンピオン争いをしているチームでしたので、心から謝罪をしてきました。本当に申し訳無いと思っております」

「今回の件で蓮を擁護する訳じゃないですが、若いドライバーは色々な経験をして成長していかなくてはなりませんので、2度と起こさないようにしっかりとこの経験を生かして欲しいですね。1年間応援して下さった皆さまに感謝致します。ありがとうございました。また、良いレースを皆さまにご覧頂けるように頑張ります」

岡島慎太郎エンジニア(55号車 ARTA NSX GT3)
「レースについてはセットアップする時間が少ない中で、決勝までに何とかバランスの良い車を作れたと思っています。パフォーマンスが高かった訳ではないので、まだ課題が残っていると思っています。レース結果は残念ですが、来年に向けて改善出来る事が見つかったので、来年に向けてチャンピオン争いが出来るように頑張りたいので、ファンの皆さま、引き続き応援のほど宜しくお願いします。今年1年ありがとうございました」

高木真一(55号車 ARTA NSX GT3)
「ボクのスティントでは10台を抜いて戻ってくるという土屋さんからのミッションがありましたが、何とかそれを上回る11台を抜いて戻ってくる事が出来ました。最初はオーバーステアが強かったのですが、最初は勘だけでセットアップを進めてきましたが、チームがより良い詰めをしてくれたおかげで10周過ぎぐらいから非常によいバランスになりました。これなら良いレースが展開出来るな、と感じていました」

「蓮もピットアウトした時に、8番手ぐらいで、なおかつランキング上位陣も見えていましたし、チャンピオン争いの真ん中に入って面白いレースを展開出来ていました。ちょっと気持ちが入ってしまってブレーキが少し奥になってしまい、接触してしまいました。蓮は辛いかも知れませんが、まだ若いし、今後もあると思うので、今日の事を反省しながら未来へ向かって突き進んでもらいたいな、と思います。車は完璧だったのでチームには感謝しか無いです。今年も1年応援して下さったファンの皆さま、チームを応援して下さった協賛企業の皆さま、ありがとうございました」

佐藤蓮(55号車 ARTA NSX GT3)
「レースの結果がリタイヤという事になってしまい、接触してしまった1号車の皆さま、チームの皆さまには申し訳無い気持ちでいっぱいです。本当に申し訳ありません。レースに関しては良いペース、流れで気持ちが先走ってしまい、強引な追い抜きをしてしまった為に接触してしまいました。これから同じことを繰り返すようではドライバーとして駄目なので、気を引き締めてオフシーズンにしっかりと勉強して二度と同じことを繰り返さないように努力していきたいと思います。1年の締めくくりがこのような結果になってしまい、申し訳ありません。また、応援して下さった皆さまには感謝致します。ありがとうございました」

2021スーパーGT第8戦富士 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮)

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