関口雄飛「ここからは2連覇、3連覇を目指してこの先に繋げたい」【第8戦GT500優勝&2021年チャンピオン会見】

 富士スピードウェイで開催された2021年シーズンのスーパーGT最終戦となる第8戦『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE』。11月28日に行われた決勝レースを終え、GT500クラスで優勝を飾り逆転シリーズチャンピオンを獲得したau TOM’S GR Supraの関口雄飛と坪井翔、伊藤大輔監督が決勝日を振り返り、チャンピオン獲得への想いを語った。

関口雄飛/第1スティント担当

「チャンピオンの権利はあるものの、条件としては少し厳しい状況で最終戦に臨んだので、どちらかというとチャンピオンを意識するというよりは、今年できていない1勝をしたいと思い今週は戦っていました。それが形になって非常にうれしいです」

「最終戦までは、インタビューなどで『今シーズンを振り返ってどうですか?』ということを結構聞かれました。基本的に僕たちはミスなく、最終戦まで非常に素晴らしいシーズンを送れていると思っています。今までは自分もポカ(ミス)することもありましたが、今年はノーミスで、本当に完成度の高い次元で走れているので非常に満足しています」

「その部分は胸を張っていいかなと思いましたが、優勝ができていなかったので、そこだけは『最後は何が何でも1勝したい』という気持ちで最終戦に来ました。それが実現できて非常にうれしいです」

「1年間応援してくださったチーム、トヨタさんをはじめブリヂストンのみなさん、ファンの方のおかげでチャンピオンを獲ることができてうれしいです。何より、自分はここに来るまでいろいろと遠回りをしてきたので、ここ(会見)にいる誰よりも、多分、自分を一番支援してくれている人が多いドライバーなのかなと思っています」

「それは資金面やシートだったり、いろいろな方のおかげでこの場に来れていて、誰かひとりでも欠けていたら多分この場に自分はいないだろうと思います。本当に助けてくれた、手を差し伸べてくれたみなさんに感謝したいですし、彼らはこの結果、こうなることを夢見て僕に手助けをしてくれたと思うので、それをしっかりと結果で返すことができて自分としても非常にうれしいです」

「ここからは、山本(尚貴)選手がスーパーフォーミュラとスーパーGTで2冠を獲ったりして、国内のホンダ系ドライバーで一番速いドライバーだとみんな思っていると思いますが、そういったことをするとF1のチャンスがあったので、自分もスーパーGTで1回チャンピオンを獲って終わりではなく、目標を高く持ち、ここからはなかなかできない2連覇、3連覇を目指して自分の実力をアピールして、この先に繋げていきたいと思っています」

「ここで終わるつもりはないので、ここからさらに良いドライバーになり、みんなに『日本最速は関口だ』と思われるように今後も努力していきたいと思います」

2021スーパーGT第8戦富士 関口雄飛(au TOM’S GR Supra)

坪井翔/第2スティント担当

「今回は、第2戦で勝てなかった悔しさをずっと貯めてきていたので、この富士では『絶対に取り返してやる』という気持ちで臨みました」

「スタートから関口選手が本当に熱い気持ちを持って前のクルマに仕掛け、トップで僕にバトンを繋いでくれたので『この位置を絶対に守りきらないといけない』と思いましたし、(ポジションを)守れる自信もあったので、しっかりとレースをコントロールしました」

「途中14号車に差を詰められるシーンもありましたが、自分をうまく冷静にコントロールし、タイヤをマネジメントしながら最後までプッシュすることができ、本当に優勝することができてよかったです」

「今シーズンは開幕戦で、優勝目前のところでバトルに競り負けてしまって2位で終わってしまったところから始まり、正直自分としてはすごく悔しい思いをしながらのシーズンで、第2戦で勝てるかと思ったら目前で勝てずというところで、正直今シーズン本当に悔しい思いをして、昨日の予選も14号車にポールポジションを獲られてしまいました」

「思うことはすごくたくさんありましたが、そのなかでもミスなく、(ウエイトが)重い状態のときにしっかりとポイントを重ねることができ、最終戦にチャンピオンの権利を残して来れたということはすごく大きかったです」

「最終戦で勝つこともでき、チャンピオンも獲得することができて、今シーズンは他のカテゴリーも含め正直うまくいっていなかったので、最後の最後で笑って終えることができて本当にうれしいですし、今年頑張ってきたことが結果で報われたので本当に良かったです。応援ありがとうございました」

2021スーパーGT第8戦富士 坪井翔(au TOM’S GR Supra)

伊藤大輔監督

「本当にうれしいです。限りなくチャンピオンの可能性が低いなか、本当に首の皮が1枚残った状態でのレースでした。とにかくチームとしては勝つことだけしか考えずに(レースに)挑みました。本当にチーム一丸となってそれが形になったことを、とにかくうれしく思っています」

「今日のレースは、スタート直後の関口選手のオーバーテイク、(セーフティカー後の)リスタート後は関口選手らしい、すごく力強い走りを見せてくれました。そのバトンを受け継いだ坪井選手も本当にクレバーな走りをしてくれて、結果的にいろいろなことがあったレースですが、諦めずにきちんと頑張った結果が、しっかりとついてきたことを本当にうれしく思っています」

「関口選手からもありましたが、第2戦でマシンが止まったこと以外は、ほぼ我々のなかでミスがなかったシーズンだったと思っています。ただ、そのなかで優勝もできていなかったですし、チャンピオンからかなり遠い位置にいたというところで、結果的には優勝できてチャンピオンを獲得できたということが、ちゃんとチームに結果をもたらすことができて本当に良かったなと思っています」

「毎戦毎戦、細かい課題がありましたが、それをチームとトヨタ、TCDと、みんなが力を合わせて対策してくれました。本当に一致団結するということが結果に繋がったんだなと思っています。また、最終戦で多くのお客さんの前で走ることができて『やっぱりスーパーGTはいいな』と思ったので、来シーズン以降もお客さんがたくさんいるなかでレースをしたいなと改めて思いました」

2021スーパーGT第8戦富士 GT500クラス優勝&チャンピオンに輝いた伊藤大輔監督/関口雄飛/坪井翔(au TOM’S GR Supra)

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