スイス国民投票、「COVID証明書」活用に賛成

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COVID証明書。紙の文書、またはアプリによる電子証明書がある (Keystone / Laurent Gillieron)

スイスでは、新型コロナウイルス感染の第5波が押し寄せる中、ワクチンパスポート「 COVID証明書」の提示義務と看護職員の確保・支援に関する国民投票が行われた。両案とも有権者6割の賛成で可決された。連邦裁判官を抽選で選ぶイニシアチブは否決された。

28日、スイスで国民投票が実施された。ワクチン接種・陰性を示す「 COVID証明書」を活用する法的根拠となっている「COVID-19法改正」は、有権者62%が賛成し可決された。

COVID証明書とは、新型コロナウイルス感染症から回復したこと、またはワクチン接種済みであることを1年間証明する文書。PCR検査で陰性の場合は72時間、抗原簡易検査で陰性の場合は48時間、取得することができる。

ワクチン接種・陰性を示す書類は、国外へ渡航する時に必要な場合が多く、航空機に搭乗するための必須条件ともなっている。しかし、スイス国内では、特定の状況下で提示が義務化もされている。例えば、レストランに入る時、1000人以上の大規模イベントに参加する時、30人以上のスポーツや文化活動に参加する時などに必要だ。 新型コロナウイルス感染症が大流行する中、 COVID証明書はスイスで社会生活を送る上でほぼ必須のものとなっている。

「COVID-19法の改正」反対派は、COVID証明書を持たない人が社会生活から疎外され、予防接種が間接的に強制されていると主張し、問題視していた。また、 データ保護の問題を懸念する声も上がっていた。

今年、スイスでは国民投票で COVID-19法に関する投票を実施するのは2回目。6月にも投票を行い、政府がコロナ感染対策の緊急措置として導入した財政支援など18件を可決された。

看護師イニシアチブも可決

十分な数の看護師や正看護師を育成し、職業を向上させるよう求める「強固な看護ケアのために」というイニシアチブ(通称看護師イニシアチブ)は、61%の支持を得た。

新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)では、看護職員の人材不足、過酷な勤務環境、低賃金といった厳しい看護師の労働条件に目が向けられた。人材不足は20年ほど前から指摘されていが、そうした状況が、このイニシアチブを後押しした。

スイス看護師協会のイヴォンヌ・リビ会長は「有権者が医療分野において労働条件改善の必要性を認識したことを嬉しく思う。議会と政府に大使、具体的な措置を迅速に提示するよう要請する」と独語圏のスイス公共放送ラジオ(SRF)に対して述べた。