オリックス・山本〝残留〟確実&ナインにはV旅行「代替金」 日本一奪還へ吉報続々

来季もエースとして君臨(東スポWeb)

ヤクルトとの日本シリーズは2勝4敗と涙を飲んだが、25年ぶりのリーグ優勝を成し遂げたオリックスが日本一に向けて仕切り直しのスタートだ。球団はここまで奮闘した労に報い〝ダブル給付金〟を用意。リーグ優勝のボーナスとコロナ禍で断念となったV旅行の〝代替金〟として大奮発する。戦力面でもポスティングシステムによるメジャー移籍もささやかれていた無双右腕・山本由伸投手(23)が〝残留〟。来季以降もエースとして君臨し、再び頂点を目指すことになった。

山本の孤軍奮闘はあと一歩及ばなかった。息詰まる接戦を演じながらも紙一重の差で後塵を排し、中嶋監督は「ただの経験じゃなく、野球人生がいい方向に向かっていけるような経験にしなきゃいけない。まだまだレベルアップができる。もう来年は始まっている」と常勝軍団に向け、選手のさらなる成長を促した。

それでも大方の予想を覆してリーグ優勝を成し遂げた事実は変わらない。プロ球界がコロナ禍に苦しみ、感染対策、練習環境に制限がかかる中での優勝だけにその価値はなおさらだ。

当然、選手が楽しみにするのはその〝見返り〟。新型コロナの感染者数減少によって渡航制限は緩和されつつあるが、だからといって数百人で優勝旅行に行くわけにもいかない。その代わりに球団が用意するのがV旅行の〝代替給付金〟だ。

球団関係者は「通常の優勝旅行の場合、一軍にいた日数を計算して家族何人までとか、それ以上は自腹になるとか、スタッフの場合は何人とか、それを金額に割り出す。その線引きを予算と相談しながら決めていくことになると思う」としている。例えば一軍選手に200万円、二軍は80万円、スタッフ一律10万といった具合に支給。それをNPBからの日本シリーズ分配金と、球団やオリックスグループの原資から捻出しようというわけだ。

もちろんVボーナスとは別に支払われ「それプラスという考え方。給付金なので何に使おうが勝手ですよ。家族旅行でも食事代でも好きなように使えばいい」とした。コロナ禍でオリックス球団は大幅な減収となっているとはいえ、グループ全体から見れば「誤差の範囲内」。潤沢な資金で選手やスタッフを労う考えだ。

来季の日本一に向けての好材料もある。かねてポスティングシステムによるメジャー挑戦が取りざたされていた無双エースの山本は、来季もオリックスの絶対エースであり続ける。関係者は「将来的に行きたいのはわかるが、これは球団が決めること。今季のような成績を2年、3年と続けなきゃいけないし、今、山本に抜けられたらチームは大変。認められるわけがない」と見ている。

無双右腕抜きに常勝チーム作りは考えられず、山本もまだ23歳。メジャー球団も昨年来のコロナ禍で財政的な打撃を受け、海外選手獲得に対する労使協定の動きも見極めていく必要がある。視察するメジャー球団は今後も時間をかけて成長を見届けていくことになりそうだ。

1995年も日本シリーズで敗れ、翌96年に再挑戦して日本一を達成した。来季こそ球界の頂点に立つ。

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