「進撃の巨人」を抑えてトップに立ったのはあの超人気アニメ! 2020秋-2021夏の年間アニメランキングを発表

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今回は趣向を変えて、ここ数年すっかりテレビの主要コンテンツとなったいわゆる“大人アニメ”に注目してみたい。長年テレビを支えてきたキッズ向け、ファミリー向けのアニメとは一線を画し、ティーンや大人を対象として発展してきた“大人アニメ”は、21世紀に入った頃から大きく市場を広げてきた。「鬼滅の刃」や「シン・エヴァンゲリオン」の劇場版が記録的なヒットとなるなど、近年最も安定したエンターテインメントのジャンルともなっている。今回はそんな“大人アニメ”がテレビでどんなふうに見られているか、最新のデータから検証していきたい。

いつものようにTVガイドwebで毎週発表している「録画視聴ランキング」(関東75万台超のレグザ視聴データをもとに集計)の数値を基に分析を試みる。昨年10月から今年9月までの1年間に地上波で放送された“大人アニメ”の録画視聴ポイントを集計、ランキングを作成した(大人アニメの定義は、レグザ「みるコレ」サービスで分類されている、大人アニメリストを参考にしています)。

まず2020年10~12月の大人アニメ・ベスト10。この時期レギュラー放送されていた“大人アニメ”の、期間内の録画視聴ポイントの平均値を算出した。

昨年のこの時期はまだ新型コロナウイルスの影響が色濃くあり、NHK総合「キングダム」の新作放送が延期となったため、「未来少年コナン」が放送されていた。また、昨年10月16日「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」公開のタイミングで、フジテレビが「竈門炭治郎 立志篇」を、総集編を交えて一挙放送したことも大きな話題であった。そんな10~12月クールに録画視聴ポイントのトップを獲得したのが、「特別総集編」の放送を受けて12月7日に放送スタートとなったNHK総合の「『進撃の巨人』The Final Season」。4話分の集計でトップに立った。原作完結を受け大きな期待の中でスタートした新シリーズで、まさに期待通りのスタートダッシュとなった。そして、2位につけたのが「呪術廻戦」(TBS/毎日放送)である(ミニアニメ「犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい」と同枠として集計)。アニメのスタートをきっかけに原作コミックが爆発的に売れだす現象を生み、「鬼滅の刃」に続くメガヒットアニメ誕生の予感に騒然となった。なお、上位2作品ともスタジオMAPPAの制作である。

続いて、2021年1~3月クールの大人アニメ・ベスト10。

前クールの上位2作品の放送が継続。トップ2独占は変わらないが、「呪術廻戦」のポイントが急増し、順位が逆転した。「進撃の巨人」のポイントも決して下がってはいないのだが、「呪術廻戦」の人気が爆発した形だ。スタイリッシュでありながら、王道感を失わないバランスが絶妙。キャラクターのチーム感も爽快で、主要キャラクターである五条悟を筆頭に女性ファンが多いのもうなずける。今年の12月24日には、前日譚「呪術廻戦 0東京都立呪術高等専門学校」を原作とした「劇場版 呪術廻戦 0」の公開が控えており、ここからさらに大きな人気を博していくことになるのは間違いない。

3位には、Season1が人気を博した「約束のネバーランド」のSeason2がランクイン。ほかにも「転生したらスライムだった件」や「Re:ゼロから始める異世界生活」、「五等分の花嫁」「ゆるキャン△」など、人気シリーズが多くランクインしている。

続いて、2021年4~6月クールの大人アニメベスト10である。

新型コロナウイルスの影響で放送が延期されていた「キングダム 第3シリーズ」の放送が4月にスタートし、堂々の首位に輝いた(4月スタートの大人アニメは2クールものが多く、制作環境が少しずつ戻り始めていることが感じられる)。「僕のヒーローアカデミア」や「七つの大罪」など、安定の長期シリーズものが多くランクインしているが、注目は4位の「東京リベンジャーズ」だろう。本来2020年公開予定だった実写映画が今年7月に公開延期、アニメの放送時期に重なったことも功を奏して大ヒットを記録。今年最大のイベントアニメとなった。

続いて、2021年7~9月クールの大人アニメベスト10。

「キングダム 第3シリーズ」が2クール連続の首位。4月クールは、スピンオフ「転スラ日記」が好調だった「転生したらスライムだった件」が2位に入って3クール連続のランクインとなった。NHK Eテレの「魔入りました!入間くん 第2シリーズ」「不滅のあなたへ」の2作品が、2クール連続のベストテン入りを果たしていることからも、シリーズ作品の根強い人気を感じる。

最後に年間ベスト20を見てみよう。この1年最も録画で見られたアニメは何だったのか。

トップは予想通り「呪術廻戦」、2位には「『進撃の巨人』The Final Season」がランクインした。3位以降もコミック原作のヒットシリーズが並んでいて、一時期よりも人気コミック偏重の度合いが増している一方で、「転生したらスライムだった件」などに代表されるライトノベル原作の“なろう系”異世界転生アニメも一大勢力になっていることが分かる。「進撃の巨人」以降、実写映画などとあわせて同時展開するイベントアニメ化による成功例が増えており、その傾向はますます加速していきそうだ。オリジナルアニメ参入の余地が少なくなっているのは、ファンとしては少し寂しいけれど。

10月からはフジテレビで「鬼滅の刃」の新シリーズ・無限列車編がスタートし、アニメとしては破格の高録画視聴ポイントを記録して話題になった。「『進撃の巨人』The Final Season」は来年1月9日より放送再開。「キングダム 第4シリーズ」も来年春に放送決定。「呪術廻戦」ほか人気作のシリーズ化は引きも切らないだろう。今後もアニメ作品の新たな動きから目が離せない。引き続き注目していきたいと思う。

文/武内朗
提供/TVS REGZA株式会社