舛添新党でも暗躍か コソッと1億円流用逮捕の元参院議員・山内俊夫容疑者の過去

2010年、舛添新党について語っていた山内参院議員(当時)

元参院議員が逮捕されたと話題になっているが何者なのか。警視庁捜査2課は28日、業務上横領容疑で山内俊夫容疑者(74)を逮捕。山内容疑者は自身の関連会社「羽田空港格納庫合同会社」の資金約1億円を私的に流用した疑いがある。

資金は羽田空港の格納庫を購入するためのものだったとされる。しかし、山内容疑者は2019年に同社の資金を京都市と香川県東かがわ市の土地購入などに流用した疑い。

山内容疑者は香川県議を経て、自民党公認で1998年の参院選に出馬し、当選。文部科学副大臣などを務めた。2010年に政界引退し、香川県で不動産会社役員を務めていた。

12年の国会議員生活だが、最後半になって注目されたことがあった。10年、すでに引退を表明していた山内容疑者は当時の政局で暗躍していたのだ。

そのころ、永田町では舛添要一氏による“舛添新党”の行方に注目が集まっていた。舛添氏が自民党を飛び出し、新党をつくる上で頼ったのが山内容疑者が所属していた「改革クラブ」という政党だった。

この改革クラブを舛添氏が乗っ取る形でできたのが「新党改革」。この時、舛添氏と調整を重ねた関係者の一人が山内容疑者だった。山内容疑者は取材に対して、「(10年の)参院選が終わったら大政局が起こって離合集散となる」と大胆予測していた。

参院選後に政界再編が起こり、複数の政党による連立内閣が発足。そうなれば“首相にしたい政治家ナンバーワン”だった舛添氏に首相のイスが回ってくる可能性もあるというのだ。もっともこれは実現せず、後年になって山内容疑者は舛添氏の批判をするようになっていた。

今回の容疑も裏でコソッと動いていたことを問われているのだが、15年にも朝鮮総連中央本部のビル売却問題で暗躍していた。参院議員時代から裏で動くのは得意だったようだ。

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