ゲーム性は紛れもない「ディアブロ」!課金は許容範囲内?「ディアブロ イモータル」クローズドβレビュー

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スマートフォン向けにリリース予定の「ディアブロ」シリーズ最新作「ディアブロ イモータル」のクローズドβの模様をレビュー。シリーズファンが気になるその内容を紹介したい。

11月25日より「ディアブロ イモータル」のクローズドβがスタートした。「ディアブロ イモータル」は、スマートフォン向けにリリースされる「ディアブロ」シリーズの最新作。「ディアブロ」シリーズはマルチプレイオンラインアクションRPGの元祖といっていい作品であり、現在でも根強いファンを抱える人気シリーズだ。

現在、シリーズの最新作として告知されているのはPC/コンシューマ向けの「ディアブロ IV」とスマートフォン向けの本作「ディアブロ イモータル」の2作。「ディアブロ IV」が「ディアブロ III」のその後が描くのに対し、本作は「ディアブロ II」と「ディアブロ III」の中間の時代を描いている。

■紛れもない「ディアブロ」最新作!「ディアブロ イモータル」の魅力

「ディアブロ」シリーズのファンならご存知かもしれないが、「ディアブロ イモータル」発表の際には、落胆の声も多く聞こえた。というのも発表当時はまだ「ディアブロ IV」が発表されていなかったため、ファンの大部分は「ディアブロ IV」がPC向けに発表されることを期待していたためだ。また、PC/コンシューマ向けではなくスマートフォン向けにリリースされるということで、ゲームシステム的にも悪い意味でスマホナイズされてしまい、「ディアブロの世界観は使っているが、ゲーム的にはディアブロではない何か」になってしまうことを恐れる声も少なくなかったように思う。

実際、初代「ディアブロ」からのファンである筆者も、「ディアブロ イモータル」の出来に期待半分、不安半分という形だった。だからこそクローズドアルファに参加したかったのだが、残念ながら参加できず…。このため今回クローズドβに参加することができて、嬉しい気持ちでいっぱいだ。…と同時に、「ディアブロ イモータル」の出来がイマイチだったらどうしよう…という懸念も抱えていた。だが、その不安はいい意味で裏切られた。本作は紛れもなく「ディアブロ」だ!

筆者が「ディアブロ」シリーズに求める魅力は、3つある。それは、「バトルの爽快感」「育成&トレハンの中毒性」「恐怖」だ。まず「バトルの爽快感」については、純粋にアクションとして爽快。その上で、スピーディーに、大量に敵を倒すための戦術が気持ちいい。

本作、「ディアブロ イモータル」のバトルも非常に爽快だ。エフェクトと効果音が絶妙に調整されており、動かしていて気持ちいい。今回のクローズドβではXbox用のゲームパッドをはじめ、一部のゲームパッドがフォローされているが、筆者は終始タッチパネルでプレイしていた。しかし、タッチパネルだからといってストレスを感じることはなかった。

また、オート機能がないというのもいい。現在、多くのスマートフォン向けのアクションRPGでは、オート機能を実装している。オートボタンをタップすると、主人公が自動的に動いて敵を倒してくれるという機能。この機能があると、放置RPG的にお手軽なプレイが可能になる。いつでも、どこでも、気軽にプレイされるスマートフォンゲームでは、重要な機能のひとつといえるだろう。しかし、「放置RPG的な楽しさ」と、「ディアブロ」シリーズの楽しさは、方向性が違う。あくまでプレイヤーが動かすことで、肉体的な快感を得るというのが「ディアブロ」シリーズの楽しさのひとつではないかと筆者は思っている。なので、本作がオート機能なしという仕様にしたのは大賛成だ。

自分でキャラクターを操作するからこそ、重要になってくるのが「スピーディーに、大量に敵を倒すための戦術」。どんなスキルをどのタイミングで使うかによって、敵を倒す効率が変わってくる。筆者は今回、シリーズの顔ともいえるバーバリアンでプレイしたが、バーバリアンのスキルで言えば「チェーンスピア」と「ワールウィンド」の組み合わせは効果的。

「チェーンスピア」はダメージを与えるだけではなく、敵を引き寄せるという効果を持ったスキル。そして「ワールウィンド」は付近の敵すべてを攻撃できるという範囲攻撃スキルなので、組み合わせて使えば、付近の敵を一気に自分の周囲に集めて倒すことが可能。本作も「ディアブロ III」と同様、一定時間以内に倒した敵が多いほど経験値ボーナスがつくので、ただ爽快なだけでなく、ゲームプレイ的なメリットも大きい。

また、「育成&トレハンの中毒性」も堪能させてもらった。まだゲーム的には序盤だが、さすがは「ディアブロ」といえる中毒性だ。…といっても、「ディアブロ」未プレイの読者には伝わりにくいかもしれない。なにせ、最近はハック&スラッシュ系のRPGが数多くリリースされている。「ディアブロ」ならずとも、類似したトレハン要素を持つゲームは存在し「育成&トレハンの中毒性」も十分味える。では一体、「ディアブロ」ならではの中毒性とは何なのか?

非常に目立ちにくい部分だが、筆者は、「ディアブロ」ならではの中毒性はバランス調整によるものだと考えている。つまり、何回の攻撃で敵が倒れるのか?何体の敵を倒せば強力なアイテムが出現するのか?強力なアイテムを手に入れた際、パラメーターがどのくらい上昇するのか?といった調整。「ディアブロ」シリーズはこの調整が絶妙だ。最初は気持ちよく敵を倒しているが、やがて苦戦するようになり、ある程度苦戦が続いたタイミングで強力アイテムが出現、苦戦していた敵を楽に倒せるようになる。当然、気持ちいいので先へ先へとガンガン進んでいく。すると再び苦戦するようになり…というサイクルが、絶妙なタイミングで繰り返される。だから、「もう少しだけプレイすればアイテムが出るかも…」「もう少しだけプレイして、この爽快感を味わいたい…」という形でやめ時を失ってしまうのだ。

本作も、クローズドβ時点でこのサイクルが巧みに作り出されている。ゲームを始めて順調に装備が揃いスキルを覚え、敵をガンガン倒せるぜ…という状態から、徐々に敵が強くなっていき、やがて苦戦するような強敵が出現。敵が強くなったな…と思っていると、強力なアイテムが出現し、楽に戦えるようになる。このサイクルに思わず夢中になり、気づいたら2時間経過。「ディアブロ」シリーズのおもしろさが本当に発揮されるのは、一度ゲームをクリアして数値がインフレし始めてからだが、本作の序盤で味わえるこのトレハンの楽しさは、紛れもなく「ディアブロ」の楽しさを有していると感じた。

■恐怖感は薄いもののビジュアルクオリティは高い

筆者の思う「ディアブロ」シリーズの魅力、最後のひとつが「恐怖」。ただこれについては、本作は若干薄いように感じた。誤解のないよう伝えておくと、ビジュアルクオリティは非常に高い。また、「ディアブロ」シリーズのビジュアルテイストも十分守られており、「ディアブロ感」「ホラーテイスト」という意味では現時点で非常に高いレベルに達している。ただ、「怖さ」を感じるかというと、そうではない。

これは2つ理由がある。ひとつは、ゲームバランス。初代「ディアブロ」や「ディアブロ II」では敵が強く、デスペナルティも強烈だった。このため、ゲーム的に死が怖かったのだ。しかし、「ディアブロ III」からデスペナルティが大幅に軽減され、敵もそれまでと比べて弱体化。結果として、爽快感が高まったものの、恐怖感は減ったように思う。こうした経緯を踏まえると、本作は「ディアブロ III」を引き継いだ味付けと言っていいだろう。

2つめの理由は、他プレイヤーが画面上に存在するという本作の仕様によるもの。フィールド内には他プレイヤーが存在し、場合によっては見知らぬプレイヤーと共闘となり、窮地から救われることもある。なので、敵に殺されるかもしれないという恐怖感は感じにくい。

とはいえ正直、「怖さ」という点はプレイヤーによって感じ方が大きく異なるだろう。筆者の場合、初代「ディアブロ」で強敵「ブッチャー」に出くわした時の衝撃的な怖さが脳裏に焼き付いており、またホラー大好きという趣味もあって、恐怖感が少ないと感じた。しかし、「ディアブロ III」から始めたプレイヤーなら、さほど気にならないのではないかと思う。

■課金要素はバトルパスや紋石・素材

さて、PC/コンシューマ向けのゲームがスマートフォンゲームとしてリリースにあたって気になることのひとつが、課金要素ではないだろうか。今回のクローズドβでは、そんな課金要素も追加されている。今回用意された課金要素は、「バトルパス」や「紋石」、素材といったものだ。

「バトルパス」は、他のゲームでも見られる一般的なバトルパスと同様。ゲーム中一定の実績を達成するごとに報酬が入るという仕組み。報酬は無料でも獲得できるが、有料の「バトルパス」を購入することで追加報酬が獲得できる。また、ボーナスシーズンクエストも解放されるようだ。

「紋石」は、「エルダーリフト」というコンテンツで使用可能なアイテム。エルダーリフトは敵を倒しつつアイテムをゲットしていくというダンジョン。このダンジョンで報酬をアップしたり、ドロップを確定させるために使うのが「紋石」だ。また、素材は、アイテムを強化する際に使用するために使用する。

なお、「紋石」も素材もそれ自体が直接的に課金アイテムになっているのではない。課金アイテムとして用意されているのは「オーブ」というアイテム。「紋石」や素材は、「オーブ」との交換という形で獲得する。この辺りは、一般的なスマートフォン向けゲームの課金システムに近い。

こうした課金要素について、個人的には許容範囲かなという印象。理想としては課金によってキャラクターや追加シナリオをアンロックするというパッケージゲームに近い形式がよかった。しかし、レジェンダリー装備やレア装備をガチャやルートボックスで獲得するといった、ゲーム性を壊す要素にはなっていない。正式版でも課金要素がこのままの仕様で残るのかどうかは不明だが、もしこのままの形だったとしても、恐らく「紋石」や素材は状況に応じて購入、「バトルパス」はシーズンごとに確実に購入すると思う。

■不安はなくなった!リリースが楽しみな一作

今回クローズドβをプレイして、少なくとも筆者は、今まで抱えていた不安がなくなった。れっきとした「ディアブロ」シリーズ最新作のひとつとして、本リリースを楽しみに待ちたいと思う。もちろん、ファンの中には「やっぱりPC/コンシューマー向けがいい!」という人もいるだろう。ただ、スマートフォンで「ディアブロ」が遊べるというのは大きい。何しろ中毒性の高いゲームなので、場所を選ばずえんえんプレイできるというのは途轍もないメリットだ。

筆者はこのことを学んだのは、Switch版「ディアブロ III」。PC版「ディアブロ III」も持っているのだが、時間と場所を選ばずプレイしたくてSwitcn版も購入した。結果的にこの判断は間違っていなかった。いつでもプレイできるSwitch版「ディアブロ III」は、真の意味でやめ時がない。また、布団の中で寝ながらプレイできるのは格別だ。それならSwitchでプレイしたいと思うかもしれない。しかし今回本作をプレイしてみて、Switchよりスマートフォンの方がサイズ的に腕が疲れず、快適だと感じた。

また、これまで「ディアブロ」に触れたことがないという人にもオススメしておきたい。本作の中毒性を味わってもらえれば、何故「ディアブロ」が現代でも名作として多くのファンを抱えているのか、分かるはずだ。これまでのストーリーが分からずとも大丈夫。人間ドラマもないわけではないが、ストーリーでグングン引っ張るタイプの作品ではないからだ。ハック(叩き)&スラッシュ(斬る)タイプ…つまり、戦闘主体のゲームなので、誰が敵かを認識していれば十分楽しめる。本作においては、「天使と悪魔と人類が争う世界で、基本的に人類に対しトラブルを吹っ掛けてくる存在を倒す」という背景を認識しておけば、一通り楽しめるだろう。是非、リリースされたらプレイしてみてほしい。

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