中国の双流国際インターモーダル港から東南アジアに向かう海上・鉄道インターモーダル列車が最初の運行を開始

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【成都(中国)2021年11月26日新華社=共同通信JBN】中国四川省の成都(双流)航空・鉄道国際インターモーダル(複合一貫輸送)港(Chengdu(Shuangliu)Air-rail International Intermodal Port)を出発して広西チワン族自治区の欽州港を経由し、東南アジアに向かう海上・鉄道インターモーダル列車(Sea-Railway Intermodal Train)が11月23日に開始となった。

合計で1540フィートのコンテナが列車で輸送された。顧客は現地の医薬品企業である。これまで、その医薬品企業は商品を川に設けられた港に送って上海港に船で輸送し、それから海上を運行する船に商品を積みかえる必要があった。川が乾季になると、上海に商品が到着するのに半月以上を要することもあった。しかし海上・鉄道インターモーダル列車を使えば、これまでの経路と比べて経済コストが3分の1低減し、時間の面でもこれまでの4分の1に短縮される。

Chengdu Airport Modern Service Industry Development Co., Ltd.のZheng Shuangli副ゼネラルマネジャーは「この列車が運行を開始したことは、インターモーダル港が国際的な航空ルート、国際的な列車ネットワーク、国際的な海上ルートの有機的な統合と、航空、鉄道、ハイウエー、海の輸送における複合的手段の輸送向上を実現したことを示している」と述べた。インターモーダル港は輸出中心の企業に多様な物流ソリューションを提供する。

双流は中国の内陸地域に位置し、中国で4番目の規模の航空ハブである双流国際空港がある。これまで、ハイエンドのバイオ医薬品、電子情報などの高付加価値製品は双流の航空経路を通じて世界に送られてきた。現在、海上・鉄道インターモーダル列車が比較的に低付加価値で迅速性の要件が低い商品を広西チワン族自治区の欽州港に送り、そこから海路でフィリピンに送ることができ、輸送に要する全行程は5日から7日である。全行程を完了するのに、陸上の道路を使った以前の輸送方法よりもやや長い時間を要するものの、コストは3分の2まで削減される。

一方、「炭素排出」の面では、空港の国際インターモーダル港を通って既存の長距離ハイウエーを使うのではなく、鉄道で商品を輸送することにより、環境保護や省エネ、効率性といった鉄道の大きなメリットが効果的に発揮され、こうした発生源からの温室効果ガス排出も低減される。

航空・鉄道インターモーダル輸送は新しい考え方ではない。双流「航空・鉄道国際インターモーダル港」が革新的である理由は、南方への経路を強調していることにある。

Zheng Shuangli副ゼネラルマネジャーは「われわれは、航空資源を新しい西部陸海回廊と密接にリンクさせた」と述べた。新しい西部陸海回廊の建設に参加する国内都市の中で、成都双流は空輸と鉄道の円滑な接続とインターモーダル輸送の先駆けとなった。この分野において双流は中国で最高レベルになった。

近年、双流は国際空港と総合保税区の2つの鉄道ハブである有意性を十分に発揮し、空輸と鉄道の相互支援と包括的な3次元の解放システムを常に追求・開発し、4PX Express、SF Expressなどの国際的な物流サプライチェーン大手企業の多数が双流に定着して営業するよう誘致してきた。

海上・鉄道インターモーダル列車の開業により、総合保税区と東南アジアの他の企業間での原材料と完成品の輸送に向けて新たな物流ソリューションが実現し、総合保税区の加工処理企業と東南アジアの生産・製造工場の間のサプライチェーンを保証する、安定した国際経路を形成する。

来年の1月1日には地域的な包括的経済連携(RCEP)が発効する。成都(双流)航空・鉄道国際インターモーダル港は成都の現地企業と東南アジアの企業の間のサプライチェーン循環に重点を置き、企業サプライチェーンの世界的な展開を深く研究し、企業に向けてサプライチェーンに基づいた複合的手段の輸送ソリューションを提供し、世界のサプライチェーンの重要なサービスの中心になることに、そして地域的影響力を持った国際的な物流流通拠点になることに全力で取り組む。

ソース:Chengdu(Shuangliu)Air-rail International Intermodal Port