日立物流は、29日に大阪市此花区で起きた火災についてプレスリリースを発表し、同社の物流倉庫が火災発生場所であることを認めた。この倉庫は同社が「関西メディカル物流センター」として医薬品物流に特化した拠点として運用している。被害状況などについての同社側からの発表はまだないが、ネットを中心に、コロナ禍でひっ迫している医薬品の流通状況がさらに悪化するのではとの懸念が広がっている。
出火場所と認めた倉庫の住所は「日立物流関西メディカル物流センター」と一致
出火後の29日午後、日立物流はプレスリリースを発出し、出火場所が同社の「舞洲営業所」であることを認めた。プレスリリースでは営業所としてしか発表していないが、業界団体がそのホームページで明かしているところによると、その住所に立地している倉庫は「日立物流関西メディカル物流センター」となっている。同社が2006年11月より稼働させているセンターで、製薬会社や卸会社からの医薬品、検査試薬などの物流拠点として運用している。
火災の報道を受け、ネットでは、複数の大手製薬会社が西日本全体の物流拠点としてこの物流センターを活用している、との指摘が複数された。現在でもコロナ禍で医薬品物流に大きな支障が生じ欠品が相次いでいるだけに「追い打ちかかってる」「いろんなメーカーさんに影響出そう」「(この物流センターが)医療用医薬品を取り扱っていたのなら、これ以上の出荷調整はもう無理」など、悲痛な声が上がっている。
なお火災は29日夜現在まだ鎮火しておらず、その目処も立っていない。日立物流は、プレスリリースでは「従業員は全員無事である」と発表しただけで、この場所が医薬品物流センターであることは正式には認めていない。