宇都宮市や商工団体などでつくる実行委員会が販売した30%のプレミアム付き商品・サービス券「宮の買いトクチケット」が28日、発売から5日間で完売した。24日の発売以降、窓口の施設では購入希望者が連日長蛇の列を作り、混雑のため一部で販売を一時休止するなど混乱も生じた。市商工振興課の担当者は「これだけ短期集中するのは想定以上だった」と説明。再販売する場合は方法を再検討する考えも示した。
券は、新型コロナの影響を受けた事業者の売り上げ回復などを目的に、1冊6500円分を5千円で販売した。平日は市内66郵便局、土日は大型商業施設など12カ所で販売し、5日間で30万冊を売り尽くした。
同市陽東6丁目のベルモールでは27日、午前10時の販売開始を前に同6時半ごろから購入希望者が訪れたという。最大4時間待ちだったといい、午後2時半ごろには売り切れた。
市民からは「先着順以外の販売方法は取らないのか」「まとめ買いができてしまうのは不公平では」などと、不満の声も上がった。
同課によると、購入者を把握できる引換券やオンラインなどの方法も検討したが、「コロナ禍で苦しむ事業者の売り上げ回復に速やかに寄与する必要がある」として、発送などの時間を要さない窓口販売にした。
また、購入数は1回につき「1人当たり2冊まで」としたものの、売れ残る不安もあったことから購入回数には制限を設けなかった。窓口での「3密」を防ぐため、家族の身分証明書などを持参すればその人数分を購入できるようにした。
混雑した窓口では整理券を配布したり、ホームページで周辺施設への無断駐車を控えるよう注意喚起したりする対応を取った。
25日の定例記者会見で、佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「経済効果がきちんと図れるかなどを踏まえ、追加(販売)が必要かを見極めていきたい」と述べた。担当者は「今後販売する機会があれば、もう一度方法を検討する」と話した。
飲食券の「宮の食べトクチケット」は引き続き販売している。