退職して厚生年金・共済年金の資格喪失。再就職する予定でも国民年金の加入手続きは必要?

© 株式会社ブレイク・フィールド社

公的年金制度の仕組み

はじめに、公的年金制度について確認します。公的年金制度には、国民年金と厚生年金保険の2種類があります。国民年金は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人が加入する年金です。

年金加入者の区分は働き方などで3つに分かれており、自営業者や学生などが対象の第1号被保険者、会社員や公務員が対象の第2号被保険者、専業主婦など第2号被保険者に扶養されている人が対象の第3号被保険者があります。

厚生年金保険は、対象事業所に勤めている会社員・公務員の第2号被保険者が対象の年金です。また、厚生年金保険の保険料は、勤務先と本人が半分ずつ負担し、本人負担分は給料や賞与から天引きされて納められます。

離職期間がない場合は、国民年金の加入手続きは不要

離職期間がないケース、例えば、現在の会社を3月31日に退職し、4月1日から次の会社に再就職するなど、退職日の翌日に再就職するようなケースが考えられます。このようなケースでは、国民年金への加入手続きは不要で、再就職先の会社で年金の手続きをします。

離職期間がある場合は、原則、国民年金への加入手続きが必要

離職期間がある場合は、原則として国民年金への加入手続きが必要です。ただし、年金保険料の納付については退職・再就職の時期によってケース・バイ・ケースです。

まず、月末に退職し、翌月に再就職するケースを考えます。

例えば、3月31日に退職し、4月15日に再就職するとします。4月1日に厚生年金保険の資格喪失、国民年金第1号の資格取得となりますので、国民年金第1号資格取得の手続きが必要です。

そして、4月16日に国民年金第1号の資格喪失、厚生年金保険の資格取得となり、厚生年金保険の加入手続きは再就職先の会社で行います。なお、厚生年金保険料は、資格喪失した日の属する月の前月まで発生し、給与から天引きされます。

ただし、月末で退職する場合は、退職月の前月と退職月の2ヶ月分が天引きされることになります。

3月31日に退職する場合は、2月分と3月分の厚生年金保険料が前の会社の給与から天引きされます。また、4月分の厚生年金保険料は5月に再就職先の会社の給与から天引きされることになるので、国民年金の保険料を納める必要はありません。

次に、月の途中で退職し、同じ月に再就職するケースを考えます。

例えば、5月10日に退職し、5月20日に再就職するとします。この場合、5月11日に厚生年金保険の資格喪失、国民年金第1号の資格取得となりますので、国民年金第1号資格取得の手続きが必要です。

厚生年金保険料は、4月分は前の会社の5月分の給与から天引きされ、5月分は再就職先の会社の給与から天引きされますので、国民年金の保険料を納める必要はありません。

最後に、月の途中で退職し、翌月再就職するケースを考えます。

例えば、4月15日に退職し、5月1日に再就職するとします。この場合、4月16日に厚生年金の資格喪失、国民年金第1号の資格取得となりますので、国民年金第1号の資格取得の続きが必要です。

このケースでは、4月分の国民年金保険料を納める必要があります。なぜなら4月は月の途中で退職しているため、4月分の年金保険料は給与天引きとなっていないためです。5月からは再就職で厚生年金に加入するため、5月分の国民年金保険料を納める必要はありません。

月末に離職期間がかかる場合に注意

退職して再就職をするケースについて、いくつかのパターンを紹介しました。離職期間がある場合、原則として国民年金の加入手続きが必要となりますが、特に注意したいのは月末に離職期間がかかる場合です。

この場合は退職月の厚生年金保険料が給与天引きとならないため、国民年金保険料を納める必要があります。放置すると「未納」となり、受給要件や将来受け取る年金受給額に影響しますので注意しましょう。

出典
日本年金機構 会社を退職した時の国民年金の手続き
日本年金機構 月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか。
日本年金機構 退職した従業員の保険料の徴収

執筆者:伊達寿和
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員