米商務長官、半導体強化予算の可決訴え 自動車大手は苦境直訴

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[テイラー(米ミシガン州) 29日 ロイター] - レモンド米商務長官は29日、ミシガン州にある全米自動車労組(UAW)の施設で自動車業界の幹部から半導体不足による苦境について直接話を聞いた。同日の講演で長官は、国内の半導体産業強化に520億ドルを投じる法案を可決するよう議会に呼び掛けた。

同氏は「現実問題として、国内の半導体供給が増えなければ(自動車産業集積地の)ミシガンで雇用が失われる」と強調した。

議会上院は6月に、中国に対抗するため米国の競争力強化を目指す法案「米国イノベーション・競争法案(USICA)」を可決。半導体生産増強に520億ドル、米国の技術や研究の強化に1900億ドルを充てる内容だが、下院では可決していない。上下院の指導部は今月17日、法案について最終合意を目指して交渉する考えを表明した。

自動車業界は年内の資金拠出を政府に求めており、この日、ゼネラル・モーターズ、フォード・モーター、クライスラーの親会社ステランティスの幹部らがレモンド氏と会合を開いた。

ビッグスリーと呼ばれる3社や海外の自動車メーカーは半導体不足で減産を強いられている。

ステランティスの幹部は「歯を食いしばって必要な部品の獲得に奮闘している」と強調した。

UAWのレイ・カリー会長は半導体関連雇用の国内回帰の必要性を訴えた。

レモンド長官はデトロイト経済クラブでの講演で、下院での法案可決が必要と強調。「商務省は、同じ考えを持つパートナー国を米国のサプライチェーン(供給網)に組み込む戦略を推進している」と説明し、「供給網を再構築するに当たり、重要度が高い半導体で米国と価値観を共有しない外国に依存するわけにはいかない」と語った。