外国人の新規入国禁止 「年末年始へ大打撃」 企業、日本語学校…人材・経営難を懸念 コロナ・オミクロン株

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サツマイモの選別などをするベトナム人技能実習生=曽於市大隅町岩川

 新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」対策で岸田文雄首相が29日、外国人入国禁止を発表した。技能実習生や留学生らに携わる鹿児島県内の関係先からは、水際対策に理解を示しつつも人手不足の加速を懸念する声が相次いだ。

 「年末年始の繁忙期に向け準備していたが、受け入れ先は大打撃だ」。外国人の在留資格「特定技能」に携わる登録支援機関「ネクステージ」(鹿児島市)の領家隆雄専務(43)は話す。資格がある外国人労働者を、県内外の企業へ送り出してきた同社。水際対策として理解は示しつつも「日本人スタッフを募集したり、残業してもらったりして対応するしかない」と取引先をおもんぱかる。

 県外国人材受入活躍支援課によると、県内の技能実習生は5717人(2020年12月末現在)。内山功一課長は「県内から賃金水準の高い県外へ流出するケースすらある。今回の措置で労働力不足が加速するのでは」。

 南九州市知覧の鶏肉処理加工「エヌチキン」は、技能実習生ら外国人約100人が働く。迫憲幸総務人事部長(56)は「1年ほど新規受け入れができず、人繰りに大変苦慮していた」。先行きに明るさが出ていただけにショックは隠せない。「今後どれほど影響が出るのか」と気をもむ。

 曽於市大隅町岩川でサツマイモの仲卸業などを手掛け、ベトナム人技能実習生2人を受け入れている竹下一成さん(68)も、慢性的な人手不足に悩む。新たにベトナム人2人を受け入れるための入国審査が、来年1月始まると連絡を受けたばかりだった。新変異株の影響を懸念していた矢先の発表。「困った事態になったが、当面は現状でしのぐしかない」と声を振り絞った。

 外国語指導助手(ALT)は、県立校77校計38人の計画に対し、今秋の渡航制限緩和で18人来日し33人に増えた。不足は続くが、県教育委員会は「生徒が生の英語に触れる機会を確保する」。

 九州日本語学校(鹿児島市)は、今年の入学希望者約40人の手続きが進められていない。谷口学理事長(69)は「昨年の希望者は、手続きを待つ間に入学を諦める例が相次いだ。今回も辞退が心配」と頭を抱える。

 鹿児島国際大学は約20人の留学生が中国に待機し、オンラインで授業を受ける。鹿児島大学も来日できていない留学生について「遠隔で対応する」としている。