フェラーリとオレカがGTカー製作で提携。『488』後継機の新型GT3が2023年登場予定

 11月29日、フェラーリはオレカ社とパートナーシップを結び、フランスの企業が2023年にデビューする予定のフェラーリ次世代GT3カーの組み立てと、カスタマー向けアフターサービスを構築し提供することを発表した。

 フェラーリ488 GT3 Evoの後継モデルに設定される新型GTカーは、フェラーリのGTレースカー設計および開発責任者であるフェルディナンド・カニーゾが率いる開発チームによってイタリア、マラネッロで設計されている。

 その後この車両は、ポール・リカールの敷地内にあるオレカの施設で、来年から組み立てが開始される予定だ。

 テストの開始時期は2022年初頭となる見込み。フェラーリは、新型GTモデルを現行の488 GT3 Evoに代わる新しいGTウエポンとして世界中のマーケットに投入するのを前に、そのための準備を進めていく。

「オレカとの合意は、新しいGT3プロジェクトの重要な出発点となる」と語るのは、フェラーリ・アッティビータ・スポルティブ・デパートメントの責任者であるアントネッロ・コレッタ。

「フェラーリの歴史の中で、もっとも成功したモデルである488の遺産を継承するクルマとなることから、我々は非常に野心的な目標を持っている」

「私たちは当社のエンジニアの能力と準備、そしてオレカのような耐久レース界で大きな成功を収めてきた優秀なパートナーを頼ることができる。そのため、私たちは自信を持って未来を見ているんだ」

 オレカは、長年にわたりフェラーリと提携してきたミケロットに代わって、フェラーリGTレーシングプロジェクトのテクニカルパートナーを務めることになる。

 オレカの創設者兼社長のユーグ・ド・ショーナックは、「フェラーリのようなモータースポーツ界のレジェンドとパートナーシップを結ぶことができ興奮し、光栄に思っている」と語った。

「フェラーリGTスポーツ部門の責任者であるアントネッロ・コレッタ氏と彼のチームが我々を信頼してくれていることに深く感謝している」

「オレカの歴史上、初めてこのようなプログラムのためにフェラーリと提携することになり、それは大きな誇りの源になる」

「また、それにはフェラーリとそのカスタマーに対する大きな責任も伴う。フェラーリはつねに卓越したレーシングカーを顧客に提供しており、私たちはそのラインを完璧に守らなければならない」

「これは、プログラムに参加しているオレカ・テクノロジーズのすべての技術チームのモチベーションを高め、活性化するエキサイティングな挑戦といえるものだ。我々はこの新しい世代のクルマのサービスにおいて、私たちの経験や専門知識、そして“レーシング・スピリット”を幅広く提供するつもりだ」

 フェラーリは2023年にふたつの新しいスポーツカー・レーシングプロダクトを発表する。今回オレカが製造することがアナウンスされた新型GT3カーは、フェラーリがWEC世界耐久選手権に送り込む、4輪駆動ハイブリッドを搭載したル・マン・ハイパーカーとともに登場する予定だ。

© 株式会社三栄