韓国半導体装置企業が「ベベル・エッチャー」を国産化 米ラムリサーチと特許紛争可能性も

半導体感光液洗浄(ストリップ)装備で世界1位のシェアを持つ韓国企業PSKが、最近エッチング装備の一つである「ベベル・エッチャー」を国産化したことが分かった。

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韓国の専門紙であるETNEWSは16日、「PSKは最近、ベベル・エッチャー装備技術開発を完了し、国内(韓国)半導体メーカーと供給協議に入った」と報じた。

PSKのイ・ギョンイル代表は同紙に対し「既存の感光液洗浄装置に続き、半導体エッチング分野に事業を拡大するきっかけを設けた」と述べている。

ピエスケーが国産化したベベル・エッチャーは、ウェーハの丸みを帯びたエッジ部分を化学薬品などで必要な部分だけ残し、残りは除去する装備だ。ウエハエッジは化学的・物理的制御が難しく、チップ歩留まりを低下させる原因となっていた。同部位のエッチングによって半導体の生産性を高めることができる。

PSKのベベル・エッチャー

ETNEWSは「現在、ベベル・エッチャーは米国のラム・リサーチが事実上独占供給している」とし、PSKの同国産によって「半導体機器の国産化で海外依存度を下げることが期待される」と伝えた。

一方で今年の8月には、米ラム・リサーチがPSKを特許侵害訴訟を提起するとの見方が韓国で伝えられた。当時、ラム・リサーチ側は、同社のベベル・エッチャー技術特許をPSKが侵害したという内容証明を送ったと韓国メディアは伝えている。その後の訴訟進展や、今回発表されたPSKのベベル・エッチャーが米ラム・リサーチの特許を回避しているのかは不明だ。

元々、ベベル・エッチャー技術は韓国メーカーのソル社が保有していたが、チャムエンジニアリング社がソル社を買収し、その後の2011年に米ラム・リサーチがチャム者のベベル・エッチャー事業を買収し、特許権を確保したという経緯がある。

現在、ベベル・エッチャー市場規模は約300億円とされる。

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