新潟県がこれまでの新型コロナへの対応を検証、オミクロン株など新たな変異にも対応できるよう医療体制を増強

新潟県の花角英世知事

新潟県は30日、第55回新型コロナウイルス対策本部会議を開催し、県の新型コロナへのこれまでの対応や、県独自の警報基準について検証した。一方で、国外で感染が拡大し、同日に国内初めての感染事例も確認された「オミクロン株」に関して花角英世知事は、まだ未知の部分が大きいとして「現状では、(これまでのデルタ株などを参照して)一般的な医療体制の拡充を進めていく」と話す。

医療体制の拡充に関して、今後県では、第5波を想定した医療体制の増強と機動的な体制の構築を図る。具体的には、県内に約100床の病床を増やす予定であることや、検査状況に応じて機動的に保健所への応援派遣ができるようにしていくことを明らかにした。

警報基準に関する説明

また、国の新基準を踏まえ、県独自の警報の位置づけに関しても検討した。国の新基準は「レベル0」から「レベル4」の5段階に分類され、病床使用率50%到達などが基準となる「レベル3」で緊急事態宣言といった強い対策を実施するものであるが、県では現在の警報基準を維持し、かつ「レベル2」の早い段階で警報や特別警報を発令していくとした。

花角知事は「県独自の警報は、日々の感染者数を主な基準としており、県民にとって比較的分かりやすい。(新潟での緊急事態宣言発令など)最悪の状況に至らないよう、県民に行動を自制してもらうために県独自の警報は継続していく」と話す。

なお警報基準に関しては、第5波(デルタ株)の状況を参照しているものであるが、今後オミクロン株など新たな株が広まった場合については、「新潟の傾向として、首都圏からの流入で感染が広がる状況が基本。新潟へ来る前に首都圏で広がることになるので、その情報を迅速に集めて対応していく」(花角知事)という。そして「次の感染が、どれだけの感染スピードか、どれだけ重症化するかもまだ分からない。現状としては、一般的な医療提供体制や検査体制の強化に務める」と話した。

一方、3回目のワクチン接種に関しては、供給されるファイザー製とモデルナ製の割合がこれまでから変化していることが課題になっていくという。

具体的には、12月から2月にかけてはモデルナ製が全体の4割近くとなる見込みで、これまでファイザー製ワクチンのみを取り扱っていた自治体や医療機関でもモデルナ製を用いることになる。そのため、県では今後、円滑な接種に向けての体制作りをしていく。

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