沖縄県、オミクロン株への対策強化 全感染者に遺伝子解析、病床確保へ

 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が国内で初めて確認されたことを受け、沖縄県は11月30日、感染「第6波」に備え、最大で1031床の病床確保などの対応を急ぐ方針を示した。県の糸数公医療技監は「感染しやすいウイルスが徐々に増えるのは避けられない」と述べ、県内への流入に強い警戒感を示した。 県衛生環境研究所(衛研)はこれまで実施してきた検体の遺伝子解析について、28日から基本的に全感染者を対象にして、新たな変異株に対する警戒を強化した。

 結果が出るまで1週間程度を要する。衛研が遺伝子解析できる件数は現在、1週間当たり48件。県は解析能力をさらに増やすため、他の検査機関と調整を進めている。

 県内の米軍基地へ直接入国した米軍関係者の検体は、米本国に送って検査する必要がある。県側は検査を徹底するよう要請する考えを示した。

 個人の感染対策について、糸数氏は消毒、手洗い、換気などは従来と変わらないと指摘。流行までの「時間を稼ぐため、人の動きを抑制するのも必要だと思う」として、注意を呼び掛けた。

 県は同日、20~60代の3人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。地域別では糸満市2人、浦添市1人。クラスター(集団感染)が新たに3例公表され、合計で415例となった。内訳は家庭内1例、事業所が2例。米軍関係者はゼロだった。(知念征尚)

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