巨人再建キーマンは二岡二軍監督だ 選手に〝監督〟任せる斬新アイデアが大注目

二岡二軍監督の手腕に注目だ(東スポWeb)

巨人再建の「知恵袋」となるか。11ゲームもの大差をつけられ、3位に終わった巨人では若手の底上げが重要課題の一つとなっている。首脳陣の間でも危機感が広がる中、ヤングGへの〝革命〟を期待されているのが二岡智宏二軍監督(45)だ。華々しいプロの世界とは一線を画す独立リーグでの指導経験も持ち、すでに斬新なアイデアの片りんものぞかせている。

Aクラスは死守しても、課題は山積みだ。来季からオフェンスコーチも兼務する元木大介ヘッドコーチ(49)は、今季の野手陣についてこう振り返る。

「若い選手が出てこないとね。勝つ野球をできるかどうか。良い結果が長く続くという日が少ないよね。ベンチにいた子は。チャンスだと思って、レギュラーを取ると思ってやらなきゃいけないと思うんだけど」

6月には右親指骨折で坂本が約1か月離脱し、丸はスランプで二軍落ちも経験した。しかし、定位置を奪い取った若手はおらず「結局(ケガが)治ったら『勇人、出ておいで』とか『丸、頼むね』みたいになっちゃう。それじゃあ、チームも強くならない。まだまだベテランが余裕を持ってできている」と格差の大きさを懸念した。

2連覇した昨季までのような若手の台頭がなかったことは確か。キーマンとなるのは、10月の配置転換から来季も育成に尽力する二岡二軍監督だ。球団内でも秋季練習中に垣間見せた異色の指導法に期待感は高まっている。きっかけとなったのは23日の紅白戦。松原と吉川を三塁コーチに立たせ、現役選手を実質的には〝監督〟として同僚ナインにサインを送らせたのだった。

この試みに、球団関係者は「アマチュア時代から選手として鍛えられてきても、なかなか試合を俯瞰しながら見て指示まで出せる経験はまずない。本人たちも野球を見る目も考え方も変わるんじゃないか。こういう試みができるのも、プロとはまるで環境が違う独立リーグを経験した二岡監督だからこその発想だろう」と絶賛していた。

実際、そつなくこなした松原も「監督はすごいな、ランナーコーチは難しいなと。サインを出すタイミングとか。マジで頭が痛くなるくらい変な疲れがきました。試合に出ている方がラクでした。いろいろ試合に還元できることはありました」と目からうろこが落ちた様子。

松原と言えば、天才的な打撃センスを誇る一方でポカも散見され、今季限りで引退した亀井外野守備兼走塁コーチから「あんたは天才だから。もうちょっとだけ頭使っていけよ」と〝遺言〟を授けられたホープだ。以前は「使える頭が全然ないんで…」と頭をポリポリかいていたが、野球脳を刺激されたことは間違いない。

2019年の1シーズンながらBC富山で指揮を執った二岡二軍監督。指導が本格化するのは春季キャンプからとなるが、その〝玉手箱〟からどんな知恵を出して若手の成長を促すのか。

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