引退の鷹・サファテ “守護神”として…痛打された若手に放った「強烈な言葉」

常に頼れる存在だったソフトバンク・サファテ(東スポWeb)

ソフトバンクのデニス・サファテ投手(40)が30日に現役引退を表明した。球団を通じて長文のメッセージを出し、ファン、選手、首脳陣、フロント、スタッフに向けての深い謝意を示した。

そして「将来的にはホークスがこの先も常勝チームであり続けるために何らかのお手伝いができればと願っています。これは永遠のお別れではなく、一時的なものです。また近いうちにお会いしましょう」と締めくくった。

2011年に広島、13年に西武に入団し、14年からはソフトバンクでプレーした。最強守護神として17年には史上最多の54セーブをマーク。外国人選手初の正力賞も受賞し、通算234セーブを記録した。18年に右股関節を痛めて以降はマウンドから遠ざかり、2度の手術も復帰はかなわなかった。

外国人投手ながら鷹リリーフ陣に多大な影響を残した。イタズラをして明るく盛り上げる時もあれば、真剣に周囲にアドバイスを送り、成長を支えた。救援失敗した若手投手が周りに謝罪を繰り返していると「お前は打たれようと思って投げたのか? みんな、お前が頑張っているのは分かっている。もう二度と〝すみません〟とか言うんじゃない」と叱咤。マウンドでやり返せとの思いを伝えたこともあった。

その〝魂〟は確実に受け継がれている。現在の守護神・森も食事など行動をともにしてサファテの薫陶を受けた愛弟子。今ではポジションだけでなく、役割も引き継ぎブルペンの精神的支柱となっている。嘉弥真なども「いいボールを持っているんだから」と励まされて成長した一人だった。

200セーブの記念ウイニングボールを誕生日だった球団スタッフに「いつもお世話になっているから」とメッセージ付きで贈るなど、周囲への思いやりも忘れなかったサファテ。グラウンド内外でキングオブクローザーだった。

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