2歳から子役として活躍する菅野莉央、丁寧な役作りの裏側には役の“履歴書”【ロングインタビュー前編】

© 株式会社東京ニュース通信社

電子書籍を扱うベンチャー企業を舞台とする、仕事に恋にプライベートに、まるでジェットコースターのような波乱な展開が話題の連続ドラマ「SUPER RICH」(フジテレビ系)。

江口のりこさん演じる氷河衛が社長を務める「スリースターブックス」では、信頼していた社員による会社の資金の横領から始まり、資金不足のために華やかなオフィスビルから古い一軒家への移転、漫画の盗作疑惑と、次々と問題が発生。優秀な社員たちと協力して一つ一つ乗り越えていく一方で、衛は会社のインターンに応募してきた青年・春野優(赤楚衛二)に告白されて…。

毎回予想を裏切る急速なスピード感が魅力の本作ですが、ここでは「スリースターブックス」のCMO(マーケティング責任者)・鮫島彩を演じる菅野莉央さんにインタビュー。2歳から子役として芸能活動をスタートした菅野さんは、8歳で初めて映画に出演。映画の現場がとにかく楽しく、「また現場に行きたい!」と強く感じたことから、真剣に女優を志すようになったといいます。「SUPER RICH」での役における隠されたエピソードから、子役として現場に通う中で抱いた思い、韓国語を学ぶために留学した経験など、さまざまなお話をお聞きしました。

クランクイン前、役の“履歴書”をいただいて…

――撮影も中盤に入られたとのことですが、鮫島という役をどのような思いで演じていますか?

「鮫島は割と自由というか、自分の軸でお仕事を“楽しく”やりたいと思っている、前向きな子だと思います。序盤は同僚や目上の方にも思ったことをポンポン言うイメージで演じていたのですが、第5話(11月11日放送)で1年後を描くようになってからは、彼女なりに成長した部分を意識して演じています」

――社員一丸となって、数々の問題を乗り越えて…。

「問題が起きて、みんなで解決して、というプロセスを踏んでいく中で、自分らしく仕事をするだけじゃない、人のためや、人生の中での仕事の位置づけに価値を見いだしていくという変化が、彼女にとって大きな成長だと感じています」

――鮫島という役において、大事にしているのはどういう部分ですか?

「クランクインする前に、それぞれのキャラクターのプロフィールをいただいたんです。『この役はこういう育ち方をしました』とか、『こういう経緯で会社に入りました』ということを事細かに書いてくださっていて。それを読んで、彼女は自分がやりたいことをつかみ取ってきた人だなと感じたんです。自分が手にしたいものは手に入れるというエネルギーがあるし、自分がいいと思うかどうかを軸にして、自分で判断して生きてきた人だなと。それを受けて、周りのことはもちろん気に掛けつつ、“自分がこうしたい”っていう気持ちを嫌みなく、でも率直に言えるようなキャラクターに見えるといいなと思って演じています」

――そのプロフィール、全員分読みたいです…! なんだか履歴書みたいですね。

「そうなんです。会社に入ったきっかけとか、『スリースターブックス』に入る前にどんな会社で働いていたかも書かれていて、本当の履歴書みたいで(笑)」

――その中に、インパクトのあるエピソードはありましたか?

「一番は鮫島が会社に入ったきっかけですね。『スリースターブックス』に入る前は新卒で入った会社で働いていたのですが、自分がやりたいことができなくて、転職先は決まってないけどとりあえず会社を辞めて。その後、働いて貯めたお金で海外旅行に行くんですけど、その旅行先で衛さんと出会うんです。いろいろな話をするうちに『そんな感じでやってるなら、うち来ない?』って衛さんに誘われて、『じゃあ、行きます』って返事して」

――お互い、フットワークが軽いですね…!

「ですよね(笑)。海外旅行先で出会った人に『うち来ない?』って言う衛さんもなかなかすごいなと思うんですけど、そこで『行きます』って即答して、本当に入っちゃった彼女もすごいなって。それを読んで、鮫島はあまり常識に捉われない、直感を信じるタイプなのかなと感じたんです。そんな経緯があったというのは台本だけでは分からなかったので、プロフィールをいただいたことで役への理解を深めることができたなと思います」

――すてきな役者さんがたくさん出演されている作品ですが、撮影現場はどのような雰囲気ですか?

「本当に百戦錬磨な方ばかりだったので、撮影に入る前はいろいろと考えてしまうこともあったんですけど、実際始まってみるとフレンドリーな方ばかりでした。本番が始まるギリギリまで、話し声や笑い声が絶えないんです。なので『本番だ!』っていう変なスイッチが入ることもなく、ナチュラルな空気のまま、撮影に臨むことができているなと思います。矢本悠馬さんは本当にずっと話していらっしゃるので、セリフを間違えないのがすごいなと思っています(笑)」

――ムードメーカーは矢本さん?

「そうですね。最初は『静かな方なのかな?』と思っていたんですけど、様子を伺っていただけかもしれないです。最近はずっとふざけ倒しています(笑)」

――物語は、仕事に恋愛、プライベートと、終盤にかけてまだまだ動きがありそうですよね。

「衛さんと優くんの恋愛、関係性の変化はもちろん、ほかのキャラクターにも一人一人スポットが当たっていくので、その人間のパーソナリティーが深く見えてくると思います。自分の人生の中での仕事の位置づけや、どれくらい仕事というものに懸けられるか、そのバランスに悩みながら、それぞれが本音を打ち明けたり。そんな人間模様も描かれていきます。鮫島としても大きな変化が起きるので、そこでどんな選択をしていくのか、私もまだ最後までは知らないので、すごく楽しみにしています」

「青天を衝け」の撮影では「偉人の方にお会いしたような気持ちに」

――吉沢亮さんが主演を務める大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほか)にも、岡部たかしさん演じる大倉喜八郎の妻・大倉徳子役として出演されましたね。

「実は今回の大河の監督さんが、私が出演させていただいた大河ドラマ『風林火山』(2007年/NHK総合ほか)でもお世話になった監督さんだったんです。十数年ぶりにお会いできてすごくうれしかったですし、少し安心感みたいなものもあって、撮影に入るのが心強かったです」

――菅野さんが演じる徳子は、帝国ホテルの創業者・大倉喜八郎の20歳下の妻という役どころです。

「時代が変わっていく渦中にいる女性たちが描かれている回になりました。海外のものを取り入れていくことが求められ、今までの生活やルールが変化していくという中で、その時代の女性たちは、ユーモアを忘れず、楽しみながらみんなで乗り切っているんです。そんな姿が映し出されていると思います」

――渋沢栄一役の吉沢さんとの共演は、いかがでしたか?

「元々第1回から拝見していたのですが、私が撮影に参加させていただいた時は、年齢も経験も重ねた渋沢さんを演じていらっしゃったので、すごく貫禄があって。吉沢さんとは同い年なんですけど、偉人の方にお会いしたような気持ちになりました(笑)」

菅野さんが女優を志すきっかけとなった出会いや、映画「ジョゼと虎と魚たち」のオーディションでのエピソード、韓国語を習得した理由などをお聞きした後編は、明日12月2日に公開予定。サインポラのプレゼントもありますので、お楽しみに!

【プロフィール】

菅野莉央(かんの りお)
1993年9月25日生まれ。埼玉県出身。O型。2歳から子役として活動をスタートし、5歳で「校長がかわれば学校が変わる」(TBS系)でドラマ初出演。2002年、8歳で「仄暗い水の底から」で映画デビューを果たす。女優として活動を続けながら法政大学に進学、さらに韓国の延世大学校に留学し、韓国語と英語を習得。主な出演作は、映画「ジョゼと虎と魚たち」「世界の中心で、愛をさけぶ」「いちばんきれいな水」「悪の教典」「生贄のジレンマ」「星降る夜のペット」「RUN!-3 films-」「人数の町」「地獄の花園」、NHK連続テレビ小説「風のハルカ」「とと姉ちゃん」、NHK大河ドラマ「風林火山」「青天を衝け」、ドラマ「下町ロケット」(TBS系)、「ラブコメの掟~こじらせ女子と年下男子~」(テレビ東京ほか)、「エロい彼氏が私を魅わす」(FOD)など。

【番組情報】

木曜劇場「SUPER RICH」
フジテレビ系
木曜 午後10:00~10:54

取材・文/宮下毬菜(フジテレビ担当) 撮影/尾崎篤志

この記事はいかがでしたか?