配置転換、2軍降格、2桁勝利は4人のみ… 今シーズンの開幕投手たちは“受難”の年に

オリックス・山本由伸、巨人・菅野智之、阪神・藤浪晋太郎(左から)【写真:荒川祐史】

オリックスの山本は沢村賞を獲得するなど投手5冠

2021年のプロ野球はセ・リーグがヤクルト、パ・リーグはオリックスがリーグ優勝を果たした。日本シリーズで熱い戦いが繰り広げられているが、ここでは各球団がチームの“柱”として期待を込め送り出した開幕投手たちの成績を振り返っていく。

今シーズンの開幕投手たちの成績は以下の通り。(開幕カード順)

【セ・リーグ】
巨人・菅野智之(19試合6勝7敗、防御率3.19) DeNA・浜口遥大(17試合5勝7敗、防御率3.94)
ヤクルト・小川泰弘(23試合9勝6敗、防御率4.14) 阪神・藤浪晋太郎(21試合3勝3敗、防御率5.21)
広島・大瀬良大地(23試合10勝5敗、防御率3.07) 中日・福谷浩司(18試合5勝10敗、防御率4.53)

【パ・リーグ】
ソフトバンク・石川柊太(28試合6勝9敗、防御率3.40) ロッテ・二木康太(22試合5勝7敗、防御率4.38)
西武・高橋光成(27試合11勝9敗、防御率3.78) オリックス・山本由伸(26試合18勝5敗、防御率1.39)
楽天・涌井秀章(21試合6勝8敗、防御率5.04)、日本ハム・上沢直之(24試合12勝6敗、防御率2.81)

巨人菅野は6勝7敗、阪神藤浪はシーズン途中に中継ぎに配置転換

12投手の中で最も活躍したのはオリックスの山本だ。今季は18勝、防御率1.39、206奪三振、勝率.783、4完封をマーク。最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、勝率第1位、そして沢村賞と投手5冠を達成し名実ともに“日本のエース”の称号を手にした。

先発投手として評価を受ける「2桁勝利」を達成したのは山本を含め、パ・リーグでは西武・高橋(11勝9敗)、日本ハム・上沢(12勝6敗)、セ・リーグでは広島・大瀬良(10勝5敗)の4人だけだった。シーズンの日程、ローテ再編などもあるがエース同士の投げ合いを制しての2桁勝利は価値あるものといえるだろう。

チームとして“誤算”だったのは昨年14勝を挙げ最多勝に輝いた巨人・菅野。今季は怪我などもあり4度の登録抹消を経験。シーズン後半に復調の気配を見せたが6勝7敗と不本意な成績に終わった。阪神・藤浪も不振が続きシーズン途中に中継ぎに配置転換された。

また、ソフトバンクは昨年最多勝、最高勝率の2冠に輝いた石川が初の規定投球回に達したがリリーフもこなすなど好不調の並が激しく負け越し。石川と同じく昨季最多勝の楽天・涌井は3、4月にチームトップの4勝を挙げ好スタートを切ったが、その後は不振で登録を抹消されるなど結果を残せなかった。(Full-Count編集部)

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