日本ハムに早くも“新庄監督効果” 初対面で選手のハート鷲掴み「あれこそプロ」

日本ハム・新庄剛志監督【写真:荒川祐史】

ファンフェスティバル前に選手に挨拶するも…「もうグチャグチャ」

日本ハムの“ビッグボス”こと新庄剛志監督が30日、札幌ドームで行われた「ファンフェスティバル2021」に参加した。イベント開始前に初めて全選手を前にして行った挨拶では、興奮を隠せなかったようで「グダグダだった」と“初訓示”を振り返った。

「もう何を言ってんだと。もうグチャグチャ」と思い返して苦笑した新庄監督。「うれしかったんでしょうね。全部の選手と顔を合わせたことが。無茶苦茶楽しみだったから」と心境を説明した後で「たぶん、ビッグボス、バカだと思ったと思う」と続けて報道陣の爆笑を誘った。

指揮官の自虐的な言葉とは裏腹に、言いたいことは選手にしっかり伝わっていた。ルーキーながら10勝を挙げた伊藤大海投手は「自分たちで野球界を変えるんだという強い意志を持ってやっていこうという話をされて。そのために12月、1月、キャンプインまでの時間が大事だよとお話はいただきました」とうなずいた。

「リップサービス的な部分と、選手と話す時は全く違います」

伊藤から見ると、マスコミに登場するビッグボスの姿と、選手に対するビッグボス姿には、メリハリが感じられるという。「リップサービス的な部分と、選手と話す時は全く違います。監督らしいというか、上の立つ人という印象がすごくあるので、伝わってきますし、自分がしっかりやらなきゃと思わせてくれる存在です」と惚れ込んでいる。

この日新庄監督がランボルギーニ・カウンタックを運転してグラウンドに登場した際、伊藤は「ファンと同じ気持ちで」カメラを構えていた。「あれこそプロフェッショナル。一つの言動をファンの方々が楽しみにされている。ビッグボスが決まってから、周りの見る目も変わました。最下位を争っていたチームが期待してもらえるのは、選手の力ではない。選手の力とビッグボスの力が同じ境地に立てるように、選手側がまずは頑張らないと」と決意を新たにした。

初めて顔を合わせた選手会長の近藤健介外野手も「楽しくチームを変えていこうと言っていました。その言葉を責任持って受けたので、みんなでいい方向に向かえるよう先頭に立ってやりたいと思います」と奮い立った。指揮官が全員同じスタートラインと発言していることについては「常にその意識を持っているので」と競争を歓迎。「来年は常に勝ちにこだわって、本当に生まれ変わったファイターズを見せられるよう、このオフ自覚を持って過ごしたいです」と力を込めた。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

© 株式会社Creative2