藤原浩「命の限り」人生の応援歌!メロディーも壮大な決めの一曲

藤原浩「命の限り」

【東スポ音楽館】昭和の歌謡界を作り上げた作曲家・遠藤実氏の弟子の中で、男性歌手では最後の内弟子が演歌歌手・藤原浩(61)だ。8日にリリースするシングル「命の限り」(作詞・円香乃/作曲・徳久広司)は藤原の人生を歌い上げた、スケールの大きい一曲だ。

――どんな作品ですか

藤原「ステージのエンディングで歌う曲を作ってほしいとお願いして出来上がった作品で、もともと2019年の『北のさすらい』というシングルのカップリング曲だったんです。迷ったり、悩んだり、振り返ったりと、私自身の人生観を歌っています。メロディーも決めの一曲にふさわしい、壮大な感じの作品です」

――改めてリリースし直そうと思ったきっかけは

藤原「昨年、還暦を過ぎ、コロナの影響もあって、人生を振り返ることも多くなった時に、鼻歌でこの『命の限り』が出てくるようになったんです。新曲を出そうという話になったときに、この曲は私自身を歌った歌でもあるけど、人生の応援歌でもあるからと、表題曲として出したいって思ったんです。一昨年にリリースした時も、キャンペーンでは最後の決めの一曲にしていたんですが、当時から人気がありましたしね」

――アレンジも変えた

藤原「今回のバージョンでは、アレンジを伊戸のりお先生にお願いして、ホルンの演奏を追加して、より壮大なスケール感を出しました。歌詞も『俺』と表現していた部分を『私』に変えて、聴いていただけるみなさんに共感してもらえるようにしました。レコーディングでは、入れ込みすぎないように、独りよがりにならないように、気を付けました」

――それだけ気に入っている楽曲

藤原「これまでは男女の恋愛などの作品を歌ってきましたが、この曲は自分の曲だ、等身大の自分だ、ということを実感できるので本当に気に入っています。遠藤先生に『歌は崩しちゃダメだよ』と言われてましたが、等身大で歌えるように心がけています」

――遠藤先生の言葉で印象深いのは

藤原「平成3年(1991年)に弟子として認められて、翌年から内弟子となったのですが、いろいろなことを教わりました。常日頃、言われていたことは『初心を忘れるな』『感謝の気持ちを忘れるな』。本当にこの2つは何度も言われて、体に染みついています。あとは『歌は格好つけて歌う必要ない。声を前に出して、魂を込めて歌うんだぞ』という言葉です。テレビなどで歌った後に『先生、どうでしたか?』って聞くと、『魂がこもってない!』なんて怒られもしました。だから言葉の一言一句、鮮明に歌えるように、と歌っています」

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