【大相撲】次世代のスター候補・北の若が新十両昇進 元高校横綱のエリート「やっと来れた」

新十両会見を行った北の若

期待の大器が、ついに関取デビューを果たす。日本相撲協会は1日、東京・両国国技館で大相撲初場所(1月9日初日、国技館)の番付編成会議を開き、北の若(21=八角)、琴裕将(27=佐渡ヶ嶽)、芝改め紫電(29=木瀬)の新十両昇進を決めた。

北の若は国技館で新十両会見を行い「ホッとしたというのが一番大きいです。目指してきたところでもあるし、長かった感じもした。(新十両まで)やっと来れた」と安堵の言葉を口にした。

名門・埼玉栄高で高校横綱にも輝いたエリートは入門時から大きな期待を集めた。初土俵から順調に出世を重ねたが、幕下上位では3度の負け越しを経験して足踏み。所要16場所での新十両となった。

北の若は「入った時の自分の小手先の相撲では、ここまで来れなかった。前までは深い上手を変化気味に取りにいく相撲。楽な相撲では勝てなくなった。今のままじゃダメだと思った。いなしたり、はたいたりしても幕下上位では通用しない」と振り返る。

壁にぶつかった時も、師匠の八角理事長(元横綱北勝海)から常に言われ続けてきたのは前に出ることの大切さ。「前に出ればまわしに手が届くし、自分の形になれると親方に口酸っぱく言われて。その意味を納得できるまでに2年かかった。入った時と相撲が別人のように変わったと自分でも思っている」。今では成長の確かな手応えを実感している。

北の若は新たな舞台へ向けて「自分は華やかな相撲、オッと言われる相撲は苦手かもしれないけど、地味でもいいので力強い相撲を取りたい。(番付は)少しずつでも行けるところまで行きたい」。次世代のスター候補の土俵に注目だ。

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