第6波「年内は回避可能」 長崎大疫学検討班が推計 新変異株「注視必要」

 長崎大は1日、新型コロナウイルスの流行第6波について長崎県や福岡県への「年内の到来は回避できる」との見方を示した。ワクチン接種率の高まりと、自粛行動の相乗効果が要因とみている。30日に国内で初めて確認された新しい変異株「オミクロン株」の情報は限られているため今回は影響を考慮していない。
 同大熱帯医学研究所の有吉紅也教授らでつくる疫学検討班が現在の流行状況やワクチンの効果などを踏まえて推計。会見した有吉教授はオミクロン株について「第6波の要因になり得る。注視が必要」とする一方、「市中感染はしていないと考えられる。パニックになるような情報は現時点ではなく、正しく恐れてほしい」と話した。
 今後の流行は▽3回目のワクチン接種▽マスクの着用や3密を避けるなどワクチンに頼らない感染対策の維持・強化▽オミクロン株など新たな変異株の流入-によって左右されるとの見解を示した。一方で、陽性者報告数が極めて減っているため「現時点での実行再生産数を見極めることは難しく、第6波がいつから始まるかを予測するのは極めて難しい」とした。
 オミクロン株については「ワクチンがどのくらい効くのか、重症度がどれくらいか注目している。数週間で分かると思う」とした。さらに今月から順次、全国で始まる3回目のワクチン接種については、新しい変異株に対しても「効果がゼロになるわけではなく、重症化率を下げる効果にはつながると思う。機会があれば打ってほしい」と話した。


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