キングス準々決勝へ クーリーらが復帰「厚み」戻る 天皇杯4次ラウンド

 バスケットボールの第97回天皇杯全日本選手権は1日、各地で4次ラウンド4試合を行った。琉球ゴールデンキングスは沖縄市の沖縄アリーナで秋田ノーザンハピネッツと対戦し、101―69で勝って準々決勝進出を決めた。その他、前回大会王者の川崎は富山を70―58で下し、A東京は大阪に79―64で勝利。信州は78―69で三河を破った。準々決勝は来年1月5日に行われ、キングスは沖縄アリーナで信州と対戦する。

 試合時間残り約2分、中間距離でボールを持ったジャック・クーリーから、インサイドに切れ込んだ小野寺祥太に鋭いパスが通り、チーム98点目となるレイアップシュートが決まった。この試合が、病気やけがからの復帰戦となった2人。ファンの前でマイクを握ったクーリーは「皆さんの前で良いパフォーマンスが出せてうれしい」と語り、穏やかに笑った。

 一時は8人まで減った出場選手が11人に回復し、今季のキングスを象徴する「層の厚さ」が戻ってきた。インサイドで体を張るドウェイン・エバンスとアレン・ダーラムが下がっても、2季連続リバウンド王のクーリーがコートに入る。個性豊かなガード陣もフルメンバーがそろい、交代しながら体力を維持して激しい守備を貫き、内外から得点を重ねた。

 リーグ戦で全試合出場を続ける並里成は「試合に出られない中でもしっかり成長した2人が戻ってきて、それがガチっとはまった」とチームとしての向上を実感した様子。一方、11月に全治10カ月の大けがを負った田代直希主将の今季中の復帰は依然として厳しい状況が続く。小野寺は「日本一を目指し、田代のためにもチーム一丸で頑張っていきたい」と力を込めた。

 (長嶺真輝)

▽男子11回戦
キングス(B1)
 101―69(27―10,17―21,29―14,28―24)
秋  田(B1)
 【評】激しい守備が持ち味のチーム同士の対決となったが、攻撃力で上回るキングスが第1Qだけで17点の大差を付けるなど、序盤からリードする展開。後半も内外から得点を重ねて突き放し、圧勝した。
◆重圧に打ち勝てた
 桶谷大HC(キングス)の話 序盤から守備の強度が非常に高く、攻撃でも相手の主力をファウルトラブルに追い込めた。自分たちにとっては天皇杯の初戦。ホーム戦で負けられないというプレッシャーもある中でそれに打ち勝ち、大きな勝利だった。
◆大きな差を感じた
 前田顕蔵HC(秋田)の話 出だしから琉球がしっかりプレッシャーをかけてきて、試合をつくられた。インサイドやドライブを守れず、攻撃でも相手の的を絞った守備を崩せなかった。すごく大きな差を感じた試合だった。

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