虚空蔵島のコケ調査 日南高生、65年ぶり

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虚空蔵島で慎重にコケを採取する日南高の生徒

 日南市の日南高(山田秀人校長、342人)の2年生6人は、同市南郷町の虚空蔵(こくぞう)島でコケの調査に取り組んでいる。島の亜熱帯林は国の天然記念物に指定されているが、コケの調査は65年前が最後。蘚苔(せんたい)類の植物相を調べることで、台風の大型化や地球温暖化の実態をつかむ手がかりになるという。
 生徒たちは、同市飫肥・服部植物研究所の片桐知之所長(当時、現在は非常勤研究員)の話を聞き、蘚苔類が微細な環境変化の影響を受けることに注目した。
 同校では生徒が自由なテーマで調査、研究する「未来戦略課」を実施。「島は標高49メートルと低く、台風の大型化による塩害の影響が分かるのでは。地球温暖化の実態もつかめる」と取り組んだ。9月に同校で開いた発表会では、6人の班が最優秀の市長賞を受賞した。
 同研究所を創設した服部新佐(しんすけ)博士(1915~92年)が、1956(昭和31)年に実施した調査では17属21種を報告。今年8月に生徒が行った写真調査では10~16種と推定された。
 より正確に実態をつかむため、10月には島で標本作製に向けたコケの採取も文化庁の許可を受けて実施。片桐さんが現場で指導しながら50点を採取した。同校の友岡秀文教諭と種類の同定や標本作製に取り組み、同研究所や国立科学博物館にも協力を仰いで、分析を進める。
 調査班の一人、那須花音(かのん)さん(16)は「標本として残るので、できるだけ多くの種類を採取するよう心掛けた。調査で気候の変化が分かることなどを期待している」と話した。