「唐突すぎる」「説明不十分」 伝承館建設 仕切り直し 小山・間々田のじゃがまいた

池の中で水しぶきを上げる蛇=2019年5月5日午後1時、小山市間々田

 【小山】国の重要無形民俗文化財である伝統行事「間々田のじゃがまいた」を通年展示できる市の伝承館建設計画が、暗礁に乗りかけている。場所の選定などを巡り、市の提案が地元関係者に受け入れられず再検討を求められたためだ。今後のスケジュールは大幅にずれ込み、仕切り直しとなる。

 2日の市議会会派代表質問で、渡辺一郎(わたなべいちろう)氏の質問に対し阿久津宣明(あくつのぶあき)教育部長が明らかにした。

 答弁によると市は10月、地元関係者などで構成する「間々田のじゃがまいた伝承館整備検討懇話会」に対し、2025年度開館とする整備日程案を候補地を含めて提示したところ「さまざまな問題点を指摘され、再検討を求められた」という。

 市によると、当初の整備日程は本年度中に整備基本計画を策定し23年度着工、24年度開館を想定していた。しかし国の補助率が当初の見込みより大きく低下することなどが判明。事業規模を縮小して、25年度開館を目指すことにした。

 しかしこの提示案が「唐突すぎる」「地域住民への説明が不十分」などと懇話会メンバーから批判され、市は案を撤回した。今後の方針について、阿久津教育部長はこの日の答弁で「候補地、スケジュールなどについて懇話会で十分に議論し、合意形成を図った上で基本計画を策定し、整備を進める」と述べている。

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