鬼束ちひろ 唯一の自伝に記していた激情「顔面フマキラー」「ラーメンぶっかけ」

独特の世界観を持つ鬼束(東スポWeb)

救急車を蹴った器物損壊容疑で逮捕、釈放された歌手の鬼束ちひろ(41)の素顔が明らかになった。鬼束は10年前に発売された、自身唯一のエッセー本で「暴れん坊〝冬〟将軍」と自称。数々のブッ飛びエピソードを披露していた――。

鬼束は先月28日、都内の路上で、体調を崩した友人女性のために急行した救急車を蹴ったとして、器物損壊の疑いで逮捕された。「通行人にイヤミを言われて頭にきた。パニックになって蹴った」と供述。蹴られた東京消防庁の救急車は後部ドアがヘコんだ。鬼束は同30日に釈放された。

鬼束は2日に直筆の謝罪文を発表。「私の不適切な行動により、多くの皆様にご迷惑をおかけしました事を、心よりおわび申し上げます」と事件を詫びた。

そんな鬼束はかつて「暴れん坊冬将軍」を自称していたという。2011年に幻冬舎から出版された自伝的エッセー本「月の破片」の中でこう書いてある。

〈私は自他共に認める暴れん坊〉〈自分のことを暴れん坊冬将軍って呼んでいる〉

〈冬〉とつけていることに〈深い意味はない〉そうだ。

暴れん坊冬将軍よろしく、昔から血気盛ん。〈私に嫌な思いをさせた相手のパソコンを思いきり蹴ったら、バラバラに壊れていた〉との記述もある。今回の事件をほうふつとさせる「オニツカキック」を過去にも炸裂させていたのだ。

彼氏とケンカした時はラーメンをぶっかけたそうで、〈あっちー! ラーメンぶっかけられたのなんて、初めてだよ!〉と言われたという。

ほかにも音楽活動が休止状態だったころ、父とケンカして〈傍らにあったフマキラーを、父に向かって無言でシューッと吹きかけた〉など、強烈エピソードのオンパレードだ。

暴れることについて本人は〈自分でもどうにもコントロールできなくなってしまう〉と自覚はあるが、〈だけど衝動に忠実に生きないと、私は私でなくなってしまう〉ともつづっている。

「だから今回の事件も、救急隊員に迷惑をかけましたが、悪気はない。むしろ鬼束さんらしいんです」(前出関係者)

疑問なのは、女性が蹴って救急車のボディーがそう簡単にヘコむかだが、知人はこう解説する。

「鬼束さんは俊足なんですよ。脚力がハンパない。地元の宮崎では学生時代、陸上の短距離で鍛えました」

事件直後には一部で「泥酔していた」と報じられたが、「下戸です。あの日も飲んでいないと聞きました」(同)。その上で知人は「これからも温かく見守ってください」と頭を下げた。

© 株式会社東京スポーツ新聞社