パンサー尾形 奇跡の〝脱出劇〟でギャラクシー制覇か おぼん・こぼんに強力ライバル

パンサー尾形貴弘(東スポWeb)

不仲で有名だった漫才コンビ「おぼん・こぼん」が、この秋に放送されたTBS系のバラエティー番組「水曜日のダウンタウン」で〝歴史的和解〟を果たし「2021年10月度ギャラクシー賞月間賞」に輝いた。これに続くとみられるのが、11月24日放送の同番組で「パンサー」尾形貴弘(44)が見せた〝落とし穴脱出〟だという。

不仲のおぼん・こぼんにフォーカスを当て続けてきた水ダウ。同じ漫才協会に所属するナイツが見届け人となり、9月29日、10月6日と2週にわたって関係修復企画「おぼん・こぼん THE FINAL」を放送。ここでようやく仲直りし、話題となった。

大きな感動を呼んだこの放送は「10月度ギャラクシー賞月間賞」を受賞。ちなみにギャラクシー賞とは、放送批評懇談会が放送文化の質的な向上を願って制定しているもの。テレビ部門では毎月、月間賞を選出し、その中から年間の賞を決定している。

数ある月間賞の中でも、おぼん・こぼんの〝仲直り回〟は話題性で群を抜いているため、「年間大賞も間違いない」と言われているが、ここに来て強烈なライバルが出現したという。

それが先月24日放送の水ダウドッキリ企画で奮闘したパンサー尾形だ。企画は「落とし穴に落ちたのに一向にネタばらしが来ないまま日が暮れたら正気じゃいられない説」というもの。バラエティー定番の落とし穴だが、普通なら落ちた芸人のリアクションをカメラマンが撮影した後、スタッフが救出する。だが今回はネタばらしをしないまま、日が暮れた後まで、実に6時間にわたって様子を観察するという内容だった。

ターゲットは尾形とコロコロチキチキペッパーズのナダル、ニッポンの社長のケツ、蛙亭の中野周平、チャンス大城の5人。深さ3・3メートルの落とし穴に落ちた後、誰も来ることなく放置され、置き去りにされるという設定だ。

多くの芸人が嘆いたり不満を言いまくったりするなか、尾形だけは自力で脱出することを決意。自身の衣服とヘルメットを結んでひもを作り、全裸になりながら地上に張られているロープやワイヤーに引っ掛けようと100回以上も投げ続けた。さらに壁の奥にあった発泡スチロールをつぶし、足場を作るなどした結果、本来なら上がってこられないはずの落とし穴から自力で這い上がってきたのだ。

実に7時間12分もかかっての脱出劇は、VTRを見ていた松本人志が「これだけ感動するなら、(陰部の)モザイクもいらないんじゃない?」が言ったほど。ネット上も「尾形、スゲエ!」「格好いい」など称賛の声であふれた。

テレビ局関係者は「おぼん・こぼん師匠の場合は、見る側が『仲直りできたらいいな』と思いながら見て、その通りになったことで感動を呼んだ。でも尾形さんは、番組サイドも『自力では上がってこられない』という設定の深い落とし穴を作ったにもかかわらず、その思惑を超えて、自分の力で脱出した。どちらも感動を与え、すばらしい番組になった」と指摘する。

ギャラクシー賞の年間大賞は、4月1日から3月末までが対象になるという。果たして年間大賞に輝くのはどちらになるのか?

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