セGG賞の投票結果と“データ上の受賞者”を比較 9人中6人で違い…どっちも順当?

広島・菊池涼介(左)と中日・京田陽太【写真:荒川祐史】

二塁手部門は9年連続で菊池涼介、データ上では3位だった

守備の名手に贈られる「第50回三井ゴールデン・グラブ賞」の受賞者が2日、発表された。5年以上の取材キャリアがあるプロ野球担当記者による投票で選出。セ・リーグでは、初受賞や常連など多彩な顔ぶれが並んだ。データだけで選んだ場合と比べると、9人中6人に違いが出た。

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用いたデータは、同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べてどれだけの失点を防いだかを表す「UZR(Ultimate Zone Rating)」。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTAのデータを参照した。注目された二塁手部門は、広島・菊池涼介が9年連続9度目の受賞。数値では巨人・吉川尚輝、ヤクルト・山田哲人に次いで3位だったが、やはり名手の貢献度は揺るぎなかった。

遊撃手部門はデータ上では中日・京田陽太がわずかに上回ってトップだったが、巨人・坂本勇人が圧倒的な得票で3年連続の受賞。三塁手部門では、DeNA・宮崎敏郎が僅差で高い数値を示していたが、実際には巨人・岡本和真が大差で初受賞した。

その他、結果が異なったのは捕手、一塁手の2部門と外野手の1人。投手部門の中日・柳裕也、外野手部門の広島・鈴木誠也、阪神・近本光司の3人は、データと受賞者が一致した。記者の眼力によって選ばれる名手たち。数値には出てこない実績や印象度も、力のひとつなのかもしれない。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。

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