4選どうする? 長崎・中村知事 告示まで2カ月 態度表明は議会最終日か

「熟慮を重ねている」と答える中村知事=県議会議場

 来年2月の知事選を巡り長崎県の中村法道知事が4選を目指すのかどうか注目が集まっている。知事は「次のリーダーにバトンタッチをするいいチャンス」と不出馬を示唆するような発言をする一方、団体や県議からの出馬要請を受け「いま少し時間をいただき十分考えたい」とも述べる。告示まで残り2カ月。県議会内では開会中の定例会最終日(21日)に態度を表明するのではないかとの見方が強まっている。
 11月30日、県庁。「予想もしていなかった。感謝申し上げる」。県内JAグループの政治団体「県農政連盟」の辻田勇次委員長から4選出馬の要請書を受け取った知事は冒頭こう答えた。だが続けて「(本県は)時代の大きな変わり目にある」として、次世代に引き継ぐ「チャンスではないか」と言及。最終判断まであと少しの猶予を求めた。
 この発言は県内政財界に波紋を広げた。額面通り後継に道を譲ると受け止める人がいる一方、約10万人の盟友を抱える県農政連からの出馬要請に「続投だろう」(県議)との見方も。実際、これまでも集票力のある諸団体からの要請という“儀式”を経て立候補を表明する流れが慣例化してきた。ただ11月中旬に島原半島の首長らが知事を訪ねた際は、知事サイドの意向もあり非公開とされた。
 県議会内では「知事の態度表明が遅れているのは、後継と目されていた人物が、今秋になって急きょ出馬できなくなったから」との見方が一般的だ。その後、本県ゆかりの官僚ら複数の名前が浮上しては消えた。こうした事情を察してか2日の一般質問では「何を悩んでいるのか」と議員が知事に尋ねる一幕もあった。
 だがこの日、知事は態度表明の期限を21日に最終日を迎える「今議会中」と自ら切ってきた。首長は議会初日、一般質問初日、議会最終日のいずれかに進退を明らかにするケースが多い。それに従えば知事には「最終日しか残されていない」(別の県議)が、後継の姿は霧に包まれたままだ。
 ただ知事サイドとは別に非自民の一部には出馬を模索する動きもあり、年末を前に戦いの構図が一気に固まりそうな気配も漂い始めている。

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