47歳の船長

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 「47歳の新しい船長に就任致しました。若すぎるということはございません」と力強く勝利を宣言した。立憲民主党の代表選で決選投票の末、新しい代表に決まった泉健太氏▲与野党伯仲の緊張感を国会や政治に望む有権者心理の受け皿になれず、衆院選で議席を減らした同党。泉氏自ら口にした「批判ばかり、追及ばかり、反対ばかり」のイメージを一新できるか、来年の参院選に向け、野党共闘の今後は…と新船長の船出は課題が山積み▲初仕事となる党の新執行部人事では、対立候補だった逢坂誠二氏、西村智奈美氏、小川淳也氏をそれぞれ代表代行、幹事長、政調会長の要職に据えた▲「ノーサイド」を強調せねばならないほど代表選で激しい応酬が交わされた印象はないから、狙いはもちろん挙党態勢の構築だろう。少し心配なのは〈船頭多くして船、山に登る〉だが▲昨年亡くなった評論家、外山滋比古さんの「ことわざの論理」には、このことわざを巡る「若い人たちの斬新な解釈」として〈船頭がたくさんいれば、船を担いで山に登ることもできる〉との珍説が紹介されている▲〈いくら力があっても、そんなトンマなことを〉と外山さんの文章は続く。ただ、野党第1党の再出発には、船が山に登るぐらいの大胆な変身や覚悟も期待しておきたい。(智)