対馬博物館 来年4月30日開館 「宗家文書」の一部など約500点展示

対馬博物館「博物館ゾーン」の完成イメージ図(同館提供)

 対馬市と長崎県が同市厳原町今屋敷に整備を進める「対馬博物館」(町田一仁館長)の開館日が、来年4月30日に決まった。対馬藩主宗家が残した藩政記録「宗家文書」の一部など資料約500点を主に時代別に展示する。
 同博物館建設は、旧県立対馬歴史民俗資料館や駐車場があった市有地で2017年に着工。3階建ての建物を2棟整備する。総事業費は40億5800万円。
 1棟は「博物館ゾーン」(延べ床面積約4100平方メートル)で、平常展示室や県市の事務室などが入る。展示室には五つのスペースを設け、島内の遺跡から見つかった出土品や「宗家文書」の一部などを展示。映像資料で古代から現代にかけての対馬の歩みを伝える。特別展示室では年2回程度の企画展を予定。対馬関連の貴重な文化財などを管理する収蔵庫も整備する。
 もう1棟は「交流ゾーン」(同約840平方メートル)。エントランスホールは開放感のある空間とし、博物館のグッズを販売するミュージアムショップをはじめ、ギャラリー、体験学習室、講座室、会議室などを設ける。対馬にまつわる貴重な生き物の標本資料も公開するという。
 比田勝尚喜市長は「対馬の歴史や自然などを学んでもらい、市民が島外に観光面でPRできるような場所になれば」と話した。
 観覧料は、小中学生220円、高校・大学生330円、一般550円(いずれも市民は110円引き)。15人以上からは団体割引がある。年間観覧券も小中学生660円から販売する。市は開館に先立ち、セレモニーも計画している。

「古代」に関する資料が並ぶ予定の展示室(対馬博物館提供)

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