大臣認定不適合の問題で再発防止策を発表――三協立山

三協立山(富山県高岡市)は12月1日、個別防火窓「防火窓アルジオ」、「防火F型」の勝手口ドアと「勝手口ドア用ひさしⅡ」を一体に組み合わせた製品に、国土交通大臣認定仕様に適合しない物件があった件について、その原因と再発防止策を公表した。同社は、製品の組合せの可否をデータ管理し、ラベルなどで明確化するとともに、受発注システムでは組み合わせ不可の警告が表示されるようにするなどとしている。

対象物件の出荷期間は2013年11月~2021年4月で、物件数は82物件(出荷対象94物件、うち12物件改修済)。対象となる「勝手口ドア」と「勝手口ドア用ひさしⅡ」の組み合わせは、防火性能に支障がないことを確認し、新たな大臣認定を取得。同社は「そのまま安心してご使用いただけます」としている。

対象の勝手口ドアは、上枠から躯体(柱)に、ねじかくぎで固定する必要があったが、不適合の施工では、あらかじめ上枠にひさしを一体化するため、その固定がされていなかった。今年4月に代理店から、この組合せが防火認定上問題無いか確認の問い合わせがあり、同社で確認したところ、適合しないと判断し国交省に報告。5月に建材試験センターで改めて防火性能に問題が無いことを確認し、9月9日に不適合状態を解消するための新たな大臣認定を取得した。

同社によると、対象の勝手口ドアのカタログでは上枠の留付材が固定できないため「組合せ不可」としていたものの、「勝手口ドア用ひさしⅡ」は大臣認定取得以前から販売されていたため、カタログや施工要領書に「組合せ不可」の記載がなかったという。同社はこの掲載不備が発生原因としている。

同社は再発防止策として、①防火設備とオプション品との組合せを示したマトリックス表を作成しデータ管理する、②組合せ不可オプション製品の梱包に【防火設備へ取り付け不可】の注意ラベルを貼付、③組合せ不可であっても物理的に取り付け可能なオプション品は、新たに発行するカタログ、施工要領書に【組合せ不可】の注記を掲載、④代理店が入力する受発注システムで、「勝手口ドア用ひさしⅡ」の見積もり画面に【防火設備品組合せ不可】の警告を表示、⑤防火にかかわる研修会をあらためて実施――などを講じる。

© 株式会社新建新聞社