絶景のサウナいかが? 「一枚岩」でテント貸し出し

「モノリス」が貸し出しを始めたテントサウナを体験するモニターツアーの参加者ら(和歌山県古座川町相瀬で)

 和歌山県古座川町相瀬にある道の駅「一枚岩」で飲食や物産の販売、キャンプ場の運営に取り組む「monolith(モノリス)」(田堀穣也代表)が、テントサウナの貸し出しを始めた。国の天然記念物に指定されている雄大な「古座川の一枚岩」前で、サウナや清流・古座川での水浴びを楽しんでもらおうと導入。田堀代表(35)は「一枚岩の前で最高の『整い体験』を」とアピールしている。

 テントサウナの導入は、カヌーなど古座川での川遊びとの相性が良く、観光客の滞在時間を伸ばしたいなどとして企画。最大8人が入ることができるテントの中にまきストーブが置いてあり、中でしっかりと体を温めた後、水風呂の代わりに目の前を流れる古座川につかったり、椅子に寝転がったりしてゆっくりと過ごしてもらおうという趣向だ。テントは定員4人の小さいサイズもある。

 11月27日には、古座川町観光協会が日本で暮らす外国人を対象に行ったモニターツアーで、参加者がテントサウナを借りて体験。アメリカ人のシェーン・ホッジさん(34)は「サウナも川もとても良かった。完璧なロケーションだ」と笑顔を見せた。

 テントサウナのレンタルは完全貸し切りで、時間は2時間まで。料金(税込み)は1人利用で5千円、2人利用で1人3500円、3人利用で1人3千円、4人以上は1人2500円。時間帯は午前9時半~11時半、正午~午後2時、午後2時半~4時半。サウナポンチョやサンダルの貸し出しも対応する。

 問い合わせや予約はモノリス(0735.78.0244)へ。

■観光協会がモニターツアー インバウンド回復見据え

 観光協会は、コロナ禍で失われた観光需要の回復や地域経済の活性化に向け、関係者が連携して観光資源を磨き上げる実証事業を支援する観光庁の取り組みに選ばれており、今回のモニターツアーもその一環。コロナ禍後のインバウンド需要の回復などを見据え、日本で暮らす外国人に町内の観光資源を体験してもらうことで、旅行プラン作りや観光資源の磨き上げにつなげたいと開いた。

 日本で働いたり、留学したりしているというアメリカや中国、フィジー、ウクライナなどから来た9人が参加。26日から3泊4日の日程で、町内各地でカヌーやサイクリング、滝巡りなどを体験した。

 最終日には関係者が道の駅「一枚岩」に集まり、今回のモニターツアーで感じたことを参加者が発表。「忙しい暮らしをしている人がリラックスし、食べ物や文化を体験するのに非常に良い場所」「宿舎などで英語の説明や案内が欲しい」「古座川は自然や地質、エコに関心がある人にとって非常にアピールできる場所。そのメッセージをもっとシンプルに打ち出したほうがいいのでは」といった声が出ていた。

 観光協会の須川陽介会長(37)は「いいところもあるが課題もいっぱい見つかった。やるべきことが分かり、すごく価値のある実証実験ができた」と話していた。

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