【動画】MotoGPゲームに挑戦したウイリアムズのふたり。ランオフエリアの芝生を使った大胆な走りを披露

 ロサイル・インターナショナル・サーキットで行われたF1第20戦カタール。F1は初開催となったこのコースだが、2輪の世界選手権MotoGPでは長らく使用されてきた。そこで、カタールGP前の木曜日、ウイリアムズのふたりはMotoGPのゲームを使って、一足先にサーキットをチェックした。

 ウイリアムズEスポーツチームとスズキMotoGPチームの協力によって実現したというこの企画。ニコラス・ラティフィとジョージ・ラッセルのふたりは、2020年のMotoGPチャンピオンであるジョアン・ミルを操り、3周中のベストラップで競い合う。

 同じ最高峰のシリーズといえど、4輪と2輪の違いは大きい。先に挑戦することになったラティフィは、1コーナーでいきなりオーバーランすると、その後もコース上にとどまることすら危うい状況が続く。

 1周で2回の転倒を喫してしまったラティフィは、「3周だと時間がかかりすぎるから2周にしよう」とルール変更を提案する。彼の1周目のタイムは2分57秒で、隣で見守るラッセルからは「レコードタイムかどうか確認しないとね」と皮肉を言われる始末。参考までに今年のMotoGPカタールGPの予選ポールタイムは1分52秒台。ラティフィのタイムはレコードから1分落ちの惨状だ。

 2周目に入り、操作にも慣れてきた様子のラティフィ。立ち上がりで小刻みにスロットルを開閉することでタイヤを滑らせないようにするが、ラッセルには「ワン!ワン!ワン!」とそのアクセルワークをイジられる。しかし、このテクニックは(初心者には)有効なようで、2分39秒と20秒もタイムを更新し、ラッセルに交代だ。

 ラティフィのプレイ中は威勢がよかったラッセルだが、彼も最初のコーナーでオーバーラン。ふたりとも2輪よりも圧倒的に速いF1のコーナリングスピードに慣れているせいか、オーバースピードでコーナーに飛び込んでしまうようだ。

 それでもチームメイトに比べるとスムーズな走りを見せるラッセルだが、そのライン取りはめちゃくちゃ。ランオフエリアの芝生まで使った大胆な走りに、ラティフィもお返しとばかりに「ゴルフじゃないんだからグリーンを狙わなくていいんだよ」とチクリ。

 そんなラッセルが出したタイムは2分20秒。トラックリミット違反を繰り返しながらラティフィのタイムをさらに10秒更新し、この対決を制した。ラティフィ曰く「まったく違うコースを走っていた」ラッセルだが、もちろん本番のレースではトラックリミットを遵守し、17位完走を果たしている。

© 株式会社三栄