自動運転バスで通院、車内でデジタル問診 新たな医療サービス提供へ 藤沢で実証実験

病院へ移動中の車内でデジタル問診を行う=藤沢市の湘南アイパーク

 超高齢社会を見据え、医療と次世代移動システムの融合を図る実証実験が4日、健康・医療分野の研究開発拠点「湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)」(藤沢市村岡東)で始まる。周辺住民を中心に約千人が参加。AI(人工知能)、自動運転、ICT(情報通信技術)といった最先端技術を組み合わせ、来院や診療を効率化し病院利用者の利便性や病院の生産性の向上につなげる狙い。

 県、藤沢、鎌倉両市、湘南アイパーク、湘南鎌倉総合病院の5者が締結したヘルスイノベーション最先端拠点形成にかかる連携・協力に関する覚書に基づく初の実証実験。実証実験のテーマは、ヘルスケアMaaS(マース)。MaaSは「Mobility as a Service」を意味し、ITを活用して多様な交通手段を一体的に提供する新サービス。

 ヘルスケアMaaSは、病院利用者の通院や身体計測、問診、診療、薬局への移動などを自動運転車とAIを活用して一環して行う医療サービス。自動運転バスが来院する高齢者らを自宅や最寄り駅で迎え、通院を円滑化。病院までの移動中に身体計測のほか、リモート接続したデジタル問診を行い、待ち時間を大幅に短縮するなど病院利用者の負担を軽減する。

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