暖房をフル稼働させる前にお手入れを!正しいエアコンの掃除手順

手間も時間もかかりそうで、つい後回しにしがちなエアコンの掃除。その結果、大掃除の季節になるまで一度も掃除してこなかったという人も多いのではないでしょうか。

エアコンは、室内の空気を取り込んで循環させているため、部屋に浮遊しているホコリやダニなどの汚れも吸い込みます。手入れをせずにそのまま放っておくと内部にカビが発生することも。とはいえ、自己流で掃除してしまうと故障の原因になるおそれがあります。

そこで、家庭でできるエアコンのお手入れ方法について、エアコンを知り尽くしたプロフェッショナルに教えてもらいました。エアコンにどのようなサインが出たら専門業者にクリーニングを依頼した方がいいのでしょうか。


使えば使うほど汚れが付着するエアコン

暑い夏にも寒い冬にも欠かせないエアコン。頻繁に利用していたのに、シーズンが過ぎて使わなくなると、お手入れすることをすっかり忘れてそのまま放置してしまっている人もいるのではないでしょうか。

エアコンは、使えば使うほど室内のほこりやダニなどを吸い込み、フィルターに汚れが付着。特に夏の冷房使用時は、エアコン内部に湿気がたまり、カビが発生しやすい環境になっているといいます。お手入れせずにそのまま放置していると、稼働していない間にエアコン内部でカビが繁殖。冬の暖房稼働時にそのカビが吹き出してくることも。

寒さが本番を迎え暖房をフル稼働させる前に、きちんとしたお手入れでエアコンを清潔に保ちましょう。

重要なのは定期的なフィルターのお手入れ

「エアコン掃除で何より大切なのは、定期的なフィルターのお手入れ。2週間に1度の頻度で掃除するのが理想です」。そう教えてくれたのは、パナソニック コンシューマーマーケティングのエアーマイスター・福田風子さん。

掃除中に誤ってエアコンを稼働させないように、はじめにコンセントを抜きます。エアコンのカバーを開けてフィルターを取り外したら、掃除機で汚れを吸引。この時、フィルターをつけたままの状態で掃除機をかけるのではなく、ケガを防ぐためにも、ホコリをしっかり取るためにも、フィルターを完全に取り外してから掃除機をかけます。

ただし、フィルター自動おそうじ機能がついたエアコンの場合は、そうしたお手入れは不要だといいます。「エアコンの累積使用時間などに合わせて自動で定期的にフィルターのお掃除をしてくれるので、エアコンにお任せしましょう」。

とはいえ、キッチンの近くにエアコンがある場合は油分の多いホコリを多く吸ってしまうため、自動洗浄では汚れを取り切れないことも。エアコンを稼働させる前にフィルターの状態をチェックすることが肝心だといいます。

「掃除機で吸引しても汚れが落ちなかったり、フィルターに油汚れがこびりついている場合は、薄めた中性洗剤で洗い、陰干しでしっかり乾かしてからエアコンに取り付けましょう」。

拭き掃除は「見えるところだけ」

フィルターをきれいにしたら、エアコンのカバーは開けたまま、次は通風路やフラップなどの汚れているところを拭きます。このときのポイントは、見える部分のみを拭くこと。

「エアコン内部は見えにくく、複雑な構造になっているため、知らずに手を入れてしまうとケガをするおそれや、誤って内部にある部品を破損してしまう可能性があります」。

そのため、エアコン内部の洗浄も自分で行わない方がいいといいます。「除菌剤やお掃除スプレーをふきかけるなど、誤ったやり方で掃除すると、内部に洗浄剤が残り、樹脂部品の破損や電気部品の不良などを引き起こすおそれがあるからです」。

プロに依頼した方がいい状態とは?

また、エアコン内部のカビの発生を防ぐには、搭載されている内部クリーン機能や送風運転を活用して、冷房使用後に毎回エアコン内部を乾燥させることも効果的だといいます。

汚れを放置してカビが生えてしまったエアコン内部

そうした家庭でできる手入れをしても、「エアコンからニオイがしたり、フラップ(ルーバー)を開いたときに奥まで汚れが付着していたりする場合は、すでにエアコン内部にカビが発生している可能性が高いです」と福田さん。そうなったら、自分でなんとかしようとせずにプロのクリーニング業者に依頼するのが賢明だといいます。


汚れを放置し続けると、カビの繁殖やニオイの発生だけでなく、エアコン機能や消費電力の低下にもつながります。家庭でできるエアコンのお手入れは、手順が少なく、意外と簡単です。エアコンをフル稼働させる前に、まずはフィルターの状態をチェックするところから始めてみてはいかがでしょうか。

© 株式会社マネーフォワード