がんになったらお金どうしよう 社会保険労務士さんに聞いてみた 『退職届は書いちゃダメ』 両側乳がんになりました123

今回、がんとお金を考えます。

教えていただいたのは・・・
社会保険労務士法人Minds 特定社会保険労務士 多屋美織先生です。
フルバージョンの配信はこちら。https://youtu.be/3fjRTffLTmQ

今回、わたくしが配信を思い立った理由は『病院でガンと診断されてしまってショックでそのまま退職してしまった方が結構いる』という現実です。そうするとお金も仕事も同時に失い、治療にも支障が出ますし、何より退職する必要のない方もいるはず、です。そんなことから多屋先生にお願いし、なんとかそれを防げないか、と思った次第です。今回は会社で働いている方に参考になる情報です。

多屋先生『働くことをお金を稼ぐこと。金をもらうことは生きていくのにとても大事です。
いきなり退職してしまっては後戻りできませんのでぜひ予備知識を頭に入れてほしいです。』

会社の就業規則を確認してみよう

多屋先生『就業規則って見てみたら難しい文章が並んでて、読みたくないよと思うかもしれないんですけども就業規則というのはかなり大事です。労働基準法という法律の中で従業員が10人いる会社であれば労働基準監督所へ提出義務があります。』

『労働基準法って簡単にどんなものかというと一人でも労働者を雇用する会社が守らなくてはいけない最低限の労働条件を定めた法律です。

最低限なのでこれは守らなきゃいけないって義務の法律なんですね。その就業規則を手に入れたら『休職』のページを見てください。

必ず休職の規定が絶対あるわけではありません。これは法律で絶対設けなさいとはなっていないのです。でもほとんどの会社さんにはあるので、例えば休職の規定をまず、確認してみてください。』

適用勤続年数や休職できる期間を確認することが大事

多屋先生『休職して復帰して、また病気が再発することは考えられますので通算されるかどうかというのも確認してください。休職期間は勤続年数に通算しない場合もあります。どういったものに影響していくかと言うと、有給休暇の日数だったり退職金にも影響するかもしれないので注意が必要です。』

『休職中は給料が発生しないことがほとんどだと思います。そうすると健康保険料とか社会保険料、住民税の本人負担。給料から控除できませんので当然マイナスになっちゃいます。自分の負担分を会社に支払わなくてはいけなくなります。ですから、毎月の給料から自分がどれぐらい控除されてるかを確認することがとても大切になります。もし入院などで休職する場合は傷病手当金というものがあります。健康保険に加入している方であれば条件に該当すればもらえます。』

傷病手当金と傷病手当は違います!

『傷病手当金は、健康保険から出るもの、保険加入期間が1年以上あればOK。傷病手当金は病気やケガで休業をしているとき、給与の3分の2相当を受け取れる公的な制度です。受給開始から最長1年6ヶ月間受けられます。
健康保険への加入期間が1年以上あれば、退職後も継続して傷病手当金を受けられますが、「健康保険への加入期間が1年以上」の要件を満たせないとき等は、継続給付は受けられません。
(来年1月から制度が使いやすくなります。1年6か月が通算、に変わります。)

一方、傷病手当は雇用保険から出るものです。名前は似てるけどまったく成り立ちが違います。
傷病手当は離職したあと、ハローワークに申し込みをした後、ケガや病気などで15日以上職業に就くことができないときに支給される手当です。

さらに注意したいのは失業保険。就職しようとする意志といつも就職できる能力があるにも関わらず、就労につけず、積極的に求職活動を行っている状態にある方とされています。そのため、もちろん病気とか育児介護など、すぐ就職できない場合は失業保険を受けることができません。』

り患して会社辞めたら失業保険もらえばいい、、というわけにいかない、のです。

”言葉じゃなくて雰囲気の退職勧告”に合う方も・・・対応策は?

多屋先生『解雇理由証明書などをとってください。解雇の場合は自己都合じゃない場合は退職届を書かないで下さい。退職届を書くということは自己都合って判断されやすいのです。』

自己都合か、会社都合によって、次の失業保険のもらえるタイミングが変わります。待機期間が全く違いますので、労働者にとってはメリットが大きいです。』

すぐ辞めない、もらえる給付は何なのかを知っておく、自分が普段保険料などいくら払っているか知っておく、退職させられそうになっても退職届を書かない・・・。

大事です。

ただ、ひとによって仕事を始めたばかりだったり、パートさんでも正社員と同じように権利が認められる会社もあったりします。自分はどうなのか?ぜひみなさん、お近くの自治体などか社会保険労務士会にある、無料相談などを活用してみて欲しいと思います。

先生によりますと最近は、相談が多いのは・・・実は”障害年金”。具体的にお悩みの事例から対応策を練る次回に続きます。

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