らーめん・餃子のとんぺい 〜 オリジナルの鶏だし白湯スープが絶品。笠岡で長年愛されるラーメン店

笠岡といえば、ご当地ラーメンの「笠岡ラーメン」が有名ですよね。

でも笠岡市内には、笠岡ラーメン以外のラーメンを出し、しかも人気のラーメン店があります。

それが「らーめん・餃子のとんぺい (以下、とんぺい)」。

昭和の時代から、35年以上笠岡で愛されているラーメン店です。

とんぺいのラーメンは、鶏だし白湯(パイタン)をベースにしたオリジナルのラーメン。

今では鶏白湯といえばめずらしくありませんが、昭和の時代から鶏白湯ベースのラーメンを出しているのです。

ラーメンのバリエーションも幅広く、ヘルシーなギョーザも好評です。

とんぺいの歴史やこだわり、魅力について紐解いていきます。

とんぺいはオリジナルのラーメンで長年人気のラーメン店

とんぺいは笠岡市北部・小平井(おびらい)地区の、県道34号線(笠岡井原線)沿いにあるラーメン店です。

創業は1986年(昭和61年)。
取材した2021年(令和3年)で、創業35周年をむかえます。

とんぺいは長きにわたって地元のあいだで愛されている店で、今でも幼児からご年配までたくさんのお客さんが訪れ、順番待ちをするほど人気のラーメン店です。

笠岡でラーメンといえば、ご当地ラーメンとして「笠岡ラーメン」が知られていますが、とんぺいのラーメンは笠岡ラーメンではありません。

長時間煮込んでできあがる鶏だし白湯スープ秘伝の元ダシをブレンドした、とんぺいオリジナルのラーメンです。

まだ鶏白湯という言葉が一般に浸透していなかった創業時から、とんぺいならではのラーメンを提供し続けています。

待合所には屋根や囲いがあり、椅子もある

とんぺいの店内は、カウンター席と座敷がありました。

カウンターは4脚、座敷は4人がけが3卓

さらに奥のスペースには、テーブル席が並んでいます。

テーブルは、2人がけ・4人がけ・6人がけが1卓ずつ

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とんぺいのメニュー

価格は消費税込。2021年(令和3年)12月の情報

提供:とんぺい

焼飯の提供は終了しました

とんぺいのラーメンは、とてもバリエーションが豊富です。

なかでも人気なのが、通常の「ラーメン(650円)」のほか「野菜ラーメン(900円)」「にんにくラーメン(900円)」など。

サイドメニューでは、「ギョーザ(350円)」が人気です。

ギョーザもとんぺい独特の味わいで、ファンの多いメニュー。

さらに平日の昼営業時には、人気の数量限定サービス定食」があります。

サービス定食は「A定食(900円)」と「B定食(950円)」の2種類。

提供:とんぺい

A定食には、ラーメンにライスと揚げギョーザ3個が付きます。

A定食 (提供:とんぺい)

B定食は、ラーメンにライスと鶏のから揚げが3個付きです。

B定食

サービス定食のラーメンは、通常のラーメン以外にも選べます。

価格はそれぞれのラーメンに、A定食はプラス250円、B定食はプラス300円です。

提供:とんぺい

また、とんぺいでは持ち帰りのラーメンやギョーザなども販売しています。

提供:とんぺい

自宅で調理するタイプです。

持ち帰り商品は、全国発送もしています。

とんぺいのおすすめ・人気のメニュー

たくさんラインナップしているとんぺいのラーメンやサイドメニュー。

そのなかからおすすめのメニュー、人気のあるメニューをピックアップして紹介します。

「ラーメン」は奥深い鶏だし白湯スープにニンジンとモヤシがドッサリ!

ラーメン(650円)」はとんぺいのスタンダードなメニューで、看板メニューです。

ラーメンの中央にはタップリの細モヤシ、さらにその上には真っ赤な生ニンジンのスライスが山盛りになっています。

ラーメンに生のニンジンはめずらしい印象です。

とても彩りが豊かで、おいしそう。

そしてモヤシ・ニンジンのかたわらには、丸いチャーシューが2枚配置されています。

大きなチャーシューは自家製

そのほか、ネギやメンマが入っていました。

スープは見事なベージュ色

スープを飲むと、やさしいまろやかな甘味と奥深い味わいが広がり、何度も口に運んでしまうおいしさ。

見た目では濃厚そうに見えましたが、サッパリとしていて後口の余韻も心地よいです。

そこにニンジンやモヤシ・ネギのシャキシャキ感に、みずみずしい味わいが加わってアクセントになります。

麺は細めのストレート

シコシコとした麺の食感とスープがよく合います。

あまりのおいしさに、スープまですべて完飲してしまいました。

「野菜ラーメン」は炒めたキャベツ・ニラの香ばしさや甘味も楽しめる

野菜ラーメン(900円)」も通常のラーメンと同じくらい人気があります。

通常のラーメンの上に、炒めたキャベツ・ニラが入っているラーメンです。

炒めキャベツ・ニラのほか、生ニンジン・細モヤシ・メンマ・ネギが入っているのは通常のラーメンと同じ。

野菜ラーメンのチャーシューは、短冊(たんざく)状の細切りになっています。

甘味があって奥深いスープに、ゴマ油で炒められた野菜の香ばしさが加わり、なんともいえない絶妙なおいしさです。

そこにたくさんの野菜の、いろいろなシャキシャキ感やほのかな甘味が加わってきます。

通常のラーメンも野菜がたくさんですが、野菜ラーメンはさらに野菜がタップリで、香ばしさも感じられるおいしいラーメンだと思いました。

「ギョーザ」はキャベツがタップリでヘルシー

とんぺいは店名に「らーめん・餃子」とあるように、「ギョーザ(350円)」も人気のメニューです。

しかも、とんぺいのギョーザは少し特徴的な味わい。

ギョーザの片面はキレイなキツネ色の焦げ目で、サクサクとした食感と香ばしさがあります。

皮は薄めで、プリプリとした食感です。

食べると、シャキシャキとしたキャベツの食感とともに、キャベツのほのかな甘味が感じられてきます。

中にはタップリのキャベツ

その中からニンニクの風味が感じられてきて、ニラの風味や挽き肉の味わいがじょじょに現れてきました。

アッサリとした味わいのギョーザなので、飽きずにパクパクと食べられます。

オリジナルのスープで、長年にわたり笠岡で愛されているとんぺいのラーメン。

店主の和田康公(わだ やすひろ)さんに話を聞きました。

とんぺいの店主・和田 康公さんへインタビュー

店主・和田 康公さん

オリジナルのスープで、長年にわたり笠岡で愛されているとんぺいのラーメン。

店主の和田康公(わだ やすひろ)さんに開業の経緯や店のこだわり、今後の展望などの話を聞きました。

大阪の「とんぺい」で修業し、笠岡で暖簾分け

──開業の経緯を知りたい。

和田(敬称略)──

創業は1986年(昭和61年)で、先代である私の父が始めました。

もともと父は会社員だったのですが、景気が悪くなり、独立することにしたそうです。

我が家は親戚に飲食店関係者が多く、父自身も料理が好きで、自宅でよく料理をしていました。

だから独立を考えたとき、自然と飲食店が頭に浮かんだのでしょう。

独立をしようとしていたとき、知人から大阪・十三(じゅうそう)のラーメン店を紹介されました。

その店のラーメンを食べて、ここで修業しようと決めたそうです。

修業したラーメン店が「とんぺい」という店名でした(2018年に廃業)。

本来は弟子はとらないとのことでしたが、熱意にうたれて特別に弟子入りできたそうです。

およそ半年間、大阪に行って住み込みで働いて修業し、大阪のとんぺいから店の看板を使ってもいいというお声をいただき、暖簾(のれん)分けという形での独立になりました。

ちょうど笠岡の自宅の近くに物件があったそうです。
それが現在の店舗の場所。

以来、同じ場所で営業しています。

自分たちの工夫が出しやすいのが飲食店の魅力

カレーラーメン (提供:とんぺい)

──和田さんが継承した経緯は?

和田──

大学を卒業して、すぐとんぺいの店に入りました。

ごく自然な流れといいますか、とくに抵抗はなかったですね。

入ってから半年くらいで店の主力になりました。

家族全員で仕事をするようになり、店の流れが変わったなと思います。

人員に余裕ができたので、細部まで見渡せるようになったと感じました。

あと飲食店をやってみていいなと思うのは、自分たちの工夫がすぐに出しやすいこと。

とくに当店のラーメンは、笠岡周辺ではあまりない味です。

これは強みですね。

キムチラーメン (提供:とんぺい)

──お店を運営するうえで気をつけていることは?

和田──

おかげさまで、当店ではお昼や休日などには大変多くのお客様に来ていただけるようになりました。

だから、なるべく早く提供できるように気をつけています。

お待ちになっているときに注文を聞いて、席に座ったらすぐにつくって提供するようにしていますね。

またお客様の人数なども早く把握し、どこに席に座ってもらえばいいのかを事前にシミュレーションし、スムーズに案内できるようにしています。

あとは当店のスタッフは、みんな子供が好きです。

お子様連れのお客様も、お気軽に来店していただければと思います。

大阪のとんぺいの味を大事にしていきたい

みそラーメン (提供:とんぺい)

──味やメニューは、大阪のとんぺいと同じ?

和田──

基本的には、大阪のとんぺいのラーメンと同じ味・特徴です。
材料の関係で、少し変えざるを得なかった部分もありますが、味のベースは同じ。

父が食べて感動し「この味を笠岡の人に食べてほしい」と思った味です。

私も大阪のとんぺいで食べましたが、この味が笠岡で食べられたらうれしいと感じました。

2010年代に鶏だし白湯のラーメンが注目された時期もありましたが、昭和の時代から鶏だし白湯のラーメンを出していた大阪のとんぺいはすばらしいと思います。

そしてなにより、大阪のとんぺいが教えてくれた味です。
大事にしていきたいと思っています。

メニューもほぼ同じですが、わかめラーメンなど、一部笠岡のかたがたの好みに合わせたものを追加しています。

わかめラーメン (提供:とんぺい)

とんぺいのスープの味はいろいろな食材や味に合うんですよ。

さまざまなトッピングのほか、味噌やカレーにも合います。

バリエーションの広さは、とんぺいのスープの特徴です!

ちなみに、ギョウザも大阪のとんぺいの味を継承しています。

お客様が孫を連れてくるのを楽しみに、長く店を続けたい

──今後の展望を教えてほしい。

和田──

今年(取材時=2021年(令和3年))で、当店は創業35年を迎えました。

昔、親に連れられて「ちびっ子ラーメン」を食べていたお子様が、成長して大盛のラーメンを食べるようになり、今度は自分の子供を連れて、ビックリすることもあるんです。

一人のお客様の成長が見られるのは、長く店をやってきたから

長く当店を愛していただき、とてもありがたく思うと同時に、感慨深いです。

ですから、盆や彼岸・大型連休・年末年始などは繁忙期ではありますが、楽しみでもあります。

今は遠方に行かれている、昔のお子様だったお客様が帰ってくるからです。

なので、次はお孫さんが来られるまでがんばりたいと思います。

まずは5年、そのあとまた5年がんばって、長く続けていくことが目標です。

生涯お店を続けていきたいですね。

地元で長く愛されているラーメン店・とんぺい

大阪で学び、笠岡で店を開いてから35年以上にわたり、笠岡で愛されているとんぺい。

笠岡周辺では、ほかにないおいしいとんぺいのオリジナルのラーメンが食べられます。

ついつい飲み干してしまうおいしいスープ、たっぷり入った野菜、豊富なバリエーションなど、魅力がいっぱいのとんぺいのラーメンをぜひ食べてみてください。

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