米中関係「安易に対立とはいえない」 WSJピーター・ランダース東京支局長が講演

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 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)東京支局長ピーター・ランダース氏が4日、那覇市泉崎の琉球新報ホールで講演した。軍事的な緊張関係に焦点が当たる米中関係について「経済的な互恵関係もあり、安易に米中対立とひとくくりにはできない」などと指摘。また、中国による台湾併合や尖閣諸島の占領の可能性については「中国にとって実利がない。(尖閣は)日中対立の象徴として、お互いを試しあっているような印象だ」との見方を示した。
 ランダース氏は「どうなる米中関係!そして日本は…尖閣、台湾情勢は?」と題して講演。軍事力で米国に迫る中国との間で本格的な戦争が起きる可能性があるという論調が米国の主要メディアで増えている一方で、米中間の経済的互恵関係を踏まえた自身の分析を展開。輸出産業による中国の経済成長や、世界の半導体製造・供給の中心を担う台湾の半導体メーカーTSMCの存在、米国が外交戦略として各国との軍事同盟を結んでいることの3点を、「対立に向かわせない道」に挙げた。
 これらを踏まえ「(戦争が起きても)中国に実利はない。(米国の軍事同盟は)欧州や各国が戦争に反対しているという圧力になる。最悪を避ける政策を中国に期待できるのではないか」と述べた。フロアからは、沖縄の自衛隊の軍備強化や辺野古新基地建設への見解を問う質問もあった。
 講演は、琉球新報デジタル1周年記念「まるっと新報まつり」の一環で行われた。