子ども食堂を無償改修 佐土原の住宅メーカー

新富町の交流スペース「こぶたのおうち」の天井を張り替えるアイ・ホーム関係者

 子ども食堂を得意分野で応援―。ハウスメーカーの「アイ・ホーム」(田村寬治会長、宮崎市佐土原町)は、子ども食堂を開くなどしている新富町の交流スペース「みんなの居場所 こぶたのおうち」(小見山真理子代表)の建物の無償改修に乗り出した。老朽化に悩む運営側に協力を申し出て実現。田村会長は「子ども食堂活動がさらに広まるきっかけになれば」と話している。
 交流スペースは2014年、小見山代表らが町が所有する同町三納代の旧教職員住宅を借り運営を開始。子ども食堂を週1回、昼食会を月に2回開くなど、住民が憩う場となっている。今年6月には建物を町から購入。新たな一歩を踏み出した。しかし、築50年以上の建物は床がへこみ、梅雨時期には雨漏りするなど活動に支障が出るほど老朽化。活動継続には改修が必要と判断し、SNSなどを通じて費用のための寄付を募っていた。
 そんな中、以前から子ども食堂に興味を抱いていた田村会長が状況を知り、今年10月、運営側へ支援を申し出。建物を視察し、屋根のふき替えや汚れた天井と床板の張り替え、故障した空調設備の取り換えをすることになった。
 小見山代表は「多額の費用がかかると思っていた改修を無償で行っていただき、感謝している」。募っていた寄付にも多くの協力が寄せられており、「本当にありがたい。寄付金は傷んだ壁の改修などに使わせていただきたい」と話す。田村会長は「子ども食堂を応援するため、できることをさせてもらった。活動継続には多くの課題があると思うが、さまざまな企業が得意分野で支援するきっかけになれば」と話している。

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