<レスリング>【特集】女子役員登用率が69%! 審判委員長・副委員長はともに女子審判員! 時代の先端を行く西日本学生連盟

 

7割近くが女子学生となる来季の西日本学連・学生委員

 スポーツ庁が各中央競技団体に40%以上の女性理事の登用を求め、下部組織でも女性役員の積極登用が叫ばれて久しい中、西日本学生秋季リーグ戦の期間中に行われた理事会で、西日本学生連盟の来季の学生委員が16人中11人が女子学生ということが決まった。

 女性登用率は、「40%」どころか半数を超えて「69%」。審判委員長と副委員長はともに女子で、これも従来の殻を破る画期的な役員構成。東日本学生連盟では今年度、史上初めて女子委員長が実現したが、西日本学連では2008年と11年に女子学生が委員長を務めている。

 取り組んでいるものの、実現に時間を要しているレスリング界の男女共同参画の先頭を切る活動。双方向からのビデオ撮影実施など(関連記事)、時代の先端をいくのが西日本学連と言えるだろう。

 同連盟によると、特別に「女子役員を出してほしい」と要望しているわけではなく、各大学が積極的に女子役員を出してくれるという。漆原功二・総務副委員長は「女性役員の比率を上げる必要性を、どの大学もしっかり認識しているのだと思います」と説明。

大谷彩歌・審判委員長(天理大)と、天理大監督で東京オリンピックに参加した小池邦徳・国際審判員

 全国大会(全国高校生グレコローマン選手権)を運営している大阪府の高体連で、進行業務に携わっていた女子マネジャーが大学に進学し、レスリング部に入部して連盟に入ってくることもあると言う。「全国大会を運営する大阪高体連の『進行』の血が、大学にも引き継がれている。うれしい限りです」と話す。

 同連盟の福川敦理事長は、2021年の世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数」で日本の順位は156ヶ国中120位と、男女平等に関する後進性を指摘し、「まず学生の間で女性が組織の中に入り、議論の場に加わって活躍してもらうことが、将来、上部組織での女性参入につながると思います」と話す。

 「これほど多くの女子学生が学連委員として参加することは初めて。学生スポーツである以上、勝ち負けだけにこだわるのではなく、組織の一員として、それぞれが使命感をもって行動できる人材を育てていきたい。来年度の学連に期待したい」と続けた。

 来年度の学生委員は下記の通り(すべて来年4月からの学年。★が女子委員)。


2022年度西日本学生連盟/学生委員

【学連委員長】 成田海夢(近大3年)

【同副委員長】★川合真由(立命館大4年)

【審判委員長】★大谷彩歌(天理大3年)

【同副委員長】★津曲紗里菜(南九州大2年)

【競技委員長】★村上寧音(福岡大3年)

【同副委員長】 森村晴豊(徳山大3年)

【会計局長】★南桃(関大4年)

【副 会 計】★河村愛唯(関大3年)

【広報委員長】★藪光流(天理大3年)

【同副委員長】★西留萌々花(帝塚山大2年)

【書記】★野中ひかり(大体大2年)
【  同  】★田中紀衣(南九州大3年)
【  同  】★児玉ひめの(南九州大2年)
【  同  】 磯田凌(桃山大2年)
【  同  】 塩見望朔(徳山大2年)
【  同  】 岩村隆斗(日本文理大3年)

 

 

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