マイナス動向現れ「日中関係の先行きには大きな不確定性」―中国版「日本青書」

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中国の研究機関が日本の現状や日中関係の展望などをまとめた「日本青書」が11月末、公表された。テーマは「コロナ禍の日本」で、「東シナ海情勢など両国関係の安定した発展を妨げるマイナスの動向が現れた」と指摘。「中日関係の先行きには大きな不確定性がある」との見方を示した。

中国網によると、青書は中華日本学会、中国社会科学院日本研究所、社会科学文献出版社が共同で企画し、中国社会科学院日本研究所の研究員が集めた国内の日本問題研究専門家と学者が共同で完成させた。2020年の新型コロナが日本の政治、経済、外交安全、社会文化などの分野に及ぼした影響に着目し、日本の対応と選択の背後にある考えと発生しうる影響を分析した。

それによると、昨年、自民党の執政は高い位置から低下し、安倍晋三氏が予定していた「ハイライトの年」ではなくなり、菅義偉内閣は防疫と景気回復の間で困難に陥った。日本の景気は急激に後退し、内需と貿易はともに低下し、通年のGDP(国内総生産)は4.8%のマイナス成長となった。新型コロナは日本政府の外交に影響を与え、日本の「国際戦略アクティブ度」は低下し、周辺国との関係は冷ややかになった。

こうした中、日本は「コロナ外交」を積極的に展開し、オンライン・オフラインを組み合わせた柔軟な方法で2国間・多国間協力を推進し、欧州、東南アジアとの外交で新たな進展を得た。同時に日本は「中等強国」との協力を引き続き推し進め、新たな「戦略支点」の構築に力を入れた。日欧関係は深化し、「欧州要素」をアジア太平洋とインド太平洋に導入し、日本に有利な地域戦略のバランスを形成した。また、バイデン氏の米国大統領当選に伴い、日米同盟は強化の軌道に戻った。

同時に青書は「中日関係は新たな問題と試練に直面」と言及。日本国内にコロナの政治化、東シナ海情勢の激化などの両国関係の安定した発展を妨げるマイナスの動向が現れ、以前の回復・安定的な良好局面と比べて、中日関係は大幅に下降している」と述べた。さらに「新型コロナの動向が不明で、米国がインド太平洋戦略を展開する中、中日間に存在する矛盾、日本国内の強力な指導者不足、国民の対中感情の低迷などの影響により、中日関係の先行きには大きな不確定性がある」とした。

一方、中国社会科学院日本研究所などは青書の発表に合わせ、北京で東シナ海問題を取り上げた国際シンポジウムを開催。前駐日中国大使の程永華氏は「日本の社会各界が東シナ海を正確に扱い、両国政府の対話に有利な雰囲気を形成することを望む。中日双方は共に努力し、東シナ海を平和の海、協力の海、友好の海にすべきである。これは中日両国の人民の根本的、長期的利益と合致する」などと訴えた。(編集/日向)