麻布大学環境科学科の学生アイデアから実現! 産官学で脱プラや使い捨てゴミ削減! スポーツ観戦スタイルも変える

これまでみたことのない素材感や手触り感、木材のような色をしていて木材じゃない―――なにこれ。

これ、見た目は地味だけど実はすごい技術。環境視点から、プラスチック製使い捨てカップや使い捨て紙コップに代わる、何度でも使える植物由来エコカップ「森のタンブラー」だ。

この植物由来エコカップ「森のタンブラー」は、材料にセルロースファイバーという食物繊維を使用し、製造時のプラスチック使用量を削減し、何度でも使い続けることで、二酸化炭素(CO2)の排出削減をめざしたアイテム。

しかもこれ、どこかのメーカーが1社でつくってるんじゃなくて、産官学が連携して生み出されたもの。

アイデアやビジョンは麻布大学 環境科学科の学生たち、企画・食品容器化はアサヒビール、セルロースファイバーの素材や整形技術はパナソニックが得意技術を出し合ってつくりあげた。

麻布大学の学生目線・リユース促進ビジョンでアイデアが湧き出て、そのアイデアに共感した企業が具現化すべく加速し実現したアイテムっていうわけ。

学内で「森のタンブラー」普及、ウォーターサーバーを設置すると…!?

麻布大学は、この植物由来エコカップ「森のタンブラー」を企業とタッグを組んでつくっただけでなく、環境視点から普及活動にも積極参戦。

まず大学内のペットボトル使用量を減らすべく、2022年3月まで植物由来エコカップ「森のタンブラー」を学生たちに届け、さらにウォーターサーバーを設置した。

すると、「森のタンブラー」を手にした学生たちは、ペットボトル入りミネラルウォーター商品を買うことなく、このウォーターサーバーの水を「森のタンブラー」で飲むようになる。

学生にとっては水を買うお金も減らせるし、脱プラにむけた取り組みにも賛同しながら、環境にやさしい水分補給も達成できる。

麻布大学 環境科学科は、このウォーターサーバーの給水量から、ペットボトル削減量が把握できる。

たとえば、11月9日〜12月2日の期間では、すでに3532本のペットボトル削減効果が得られたという。

麻布大学「森のタンブラー」は学外へ、スポーツ観戦スタイルも変える!

麻布大学の「森のタンブラー」普及活動は、学内だけにとどまらない。

こんどは、サッカーJ2リーグ SC相模原に「マイタンブラー制導入」を提案。サッカー観戦に自分専用のタンブラーを持ち歩く新たなスタイルを発信し、「脱 使い捨て」を呼びかけた。

麻布大学 環境科学科の学生たちは、このマイタンブラー制導入について、こう説明してくれた。

「マイタンブラーに自分で飲み物を注ぎ、タンブラーを自分で洗浄することで、観戦リスクの低減かつ使い捨て容器ゴミ削減への取り組みを続けていきたいです」

―――麻布大学 環境科学科の学生たちの小さなアイデアが、企業を巻き込み、スポーツ観戦のスタイルまでを変えようとしている。

産官学で動き出したこうした脱プラ・使い捨てゴミ削減の動きに、注目を。

◆麻布大学
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